「ちゃんと申告してもらわないと……」富裕層の申告漏れ980億円 過去最高額更新
11月23日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、富裕層の申告漏れに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「めちゃくちゃ税金取られてるってことを理解してほしい」
2023年6月までの1年間の税務調査で、「富裕層」の申告漏れ所得が過去最高の総額980億円に上ったことが国税庁のまとめで分かった。
各国税務当局との連携を強化するなか、海外投資に絡む申告漏れが多く発覚したという。インフルエンサーによる広告などインターネット関連取引に対する追徴課税も目立った。
22年度の所得税の調査は63万7823件(前年度比6.3%増)で、申告漏れ所得の総額は9041億円(同25.5%増)、追徴税額は過去最高の1368億円(同29.3%増)だった。
寺島アナ「藤井さん、こういう数字が出てきましたね?」
藤井氏「これはいわゆる通常の所得とは別ですからね。海外投資に基づくものとかインターネット取引に関するものですから、だからそういうところは羽振りが良いってことなんですよね。いわゆる給与所得ですとか実質賃金はすごく下がっているっていうことですから。投資に関するものだけ羽振りが良いっていうのはよろしくないですね」
富裕層以外では、ネット広告やオークションなど、インターネットを介して行われる「シェアリングエコノミー」に関わる取引についても重点的に調査した。申告漏れ所得の総額は200億円(前年度比72.4%増)、追徴税額は42億円(同90.9%増)だった。
寺島アナ「インターネットを介した取引、これの申告漏れも多いっていうことなんですよね」
藤井氏「そうですね。だからそこは申告しなかったらわかんないから、そのまま黙っているっていうことですからね、ちゃんと申告してもらわないと困りますけどね。でも、たしかにインターネットの場合はコソッと儲けてるんですね、みんなね。だから『こいつ怪しいな』と思って調べたらわかるっていうことですよね」
大阪国税局は企業からの依頼でSNSを活用し商品を宣伝する「インフルエンサー」の女性に対し、計約9500万円の申告漏れを指摘し、重加算税を含む計約4000万円などを追徴課税した。
寺島アナ「こういう例がありますから……」
藤井氏「普通のサラリーマンの場合は全部バレてしまいますから、脱税というか所得隠しというのはできにくいですけど、インターネットはバズってしまったら銀行口座にガッツリ振り込まれて『やった、ラッキー!』って言って終わってしまうってことですよね」
寺島アナ「で、“申告”っていう知識が無かったとするならば……」
藤井氏「わからん人もいるでしょうね。さっきの例の女性の人とか、わかってないかもしれませんね」
寺島アナ「で、こういうときって自分に都合よく解釈しますからね。『これはいいのかしら?』なんて思って、でも後からガツンと発覚すると、こういうケースになるということで。これは注意したほうがいいですね」
藤井氏「そうそう。9,000万円振り込まれて4,000万円追徴課税ですからね。全部使ってしまったらえらいことですよね。だからみなさんね、ホントめちゃくちゃ税金取られてるってことを、これを機にしっかり理解してもらいたいですよね」
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