昭和初期、なぜ日本人はもろ手を挙げて「戦争バンザイ」となっていったのか?
安全保障の問題が大きくなっている今、見つめ直す必要があるのが、かつての日本。11月21日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、学習院大学法学部の教授で政治学者の井上寿一さんに、なぜ日本は戦争に押し流されていってしまったのかを伺った。
小島慶子「いつしか日本は『戦争バンザイ』ともろ手を挙げて賛成するしかないところまで押し流されていってしまったわけですよね。どこで潮目が変わったんですか?」
井上「軍部に対する信頼が国民に出てきたんです。どういうことかっていうと、昭和恐慌の中で満州事変が拡大して、その中で陸海軍の青年将校たちが当時の犬養毅首相を殺害する五・一五事件起きるんですが、五・一五事件って国民が主謀者たちのことを支持したんです」
大竹「ほう」
井上「どうしてなのかっていうと、昭和恐慌でこんなに苦しんでいるのは誰に責任があるのかっていった時に、それは政党がちゃんとしてないじゃないかとか、財閥が自分たちの私腹を肥やしていて国民に経済的な利益を還元してないじゃないかとなったわけです」
大竹「うん」
井上「そういう中にあって軍部は手が汚れていない。軍部はお金まみれでもなんでもない。むしろ貧しい農民出身者が兵士の大部分で兵士の家族たちは本当につらい思いをしている。こういう人たちを助けなくてはいけないんだから、それには汚れた政党政治をつぶして財閥にも厳しくあたるべきなんだっていう国民の気持ちが軍部への過剰な期待になっていったっていうことなんですよね」
大竹「なるほど」
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