「ぼーっとする」ことで得られるメリットとは!?
11月15日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーのテーマは「ぼーっとできてますか?」。11月3日に行われた「ぼーっとする大会」がニュースになるなど、「ぼーっとする」という行為がいま、注目を集めている。無駄なようにも思えるが、メリットも多いと言われる、「ぼーっとする」ことについて、語り合った。
西川あやの「なんで私たちが最近、ぼーっとしていないかというと、充実しているからですよね。周りのエンターテインメントとかデジタル機器とか」
石戸諭「デジタル機器の存在はデカいでしょうね」
西川「マーケティングサイトを運営するクロスマーケティングは、無駄な時間に関する調査結果を発表しています。『何もせず時間を過ごすことがあるか』という問いに対し、『よくある』27%、『まあまあある』37.8%、合わせて64.8%がぼーっとする時間を過ごしていらっしゃる。そのことについて『大事だと思う』が41%と半数に迫る一方で、『なんとも思わない』『無駄だと思う』『意識してなくすようにしている』という意見もありました」
石戸「去年だったかな。夏休みをとって、電子機器もスマホ以外は全部置いていきました。特に連絡をするわけでもなく、パソコンも持っていくわけでもなかった。仕事の連絡もとりません、という1週間を過ごしましたけど、本当に快適でしたよ」
西川「どういう効果がありました?」
石戸「リフレッシュ。多くのことがどうでもよくなってくる。日々のニュースなんかも『あれ追わなきゃ』『これ追わなきゃ』みたいなことあるけど、1週間休んだからといって、追っかけはできるし、なんの問題もない」
西川「わかります。ニュースも毎日いろんなことが起こりますし、新作の映画が公開されます、こういう情報が出てきました、世間は盛り上がっています……と聞くと、気持ちが焦っちゃうんですよ。当事者じゃないのに」
石戸「だいたいのことは自分にとって、1週間ぐらい距離をとったところでなんの問題もない! ということが(夏休みに)わかった。だって追いかけられるもん、という感じだった」
西川「後追いもできますもんね。焦ることない。どうしても時間を効率的に使いたいタイムパフォーマンスみたいな気持ちもあるんですけど……」
永井玲衣「何にそんなに急き立てられているんだろう……」
石戸「そう。なんでタイムパフォーマンスを重視しているのかとか、よくわからない。本の要約サービスも出始めて、『それはそれでいいんでしょうけど』っていう感じ。たとえば2時間半ぐらいで本を1冊読めるとして、それが10分になったからどうなんだろう、と」
永井「時計っていう概念ができたのは近代以降だ、とよく言われて。そこから遅刻とか時間、時給みたいな概念が生まれた、というのを私、大学の哲学の授業で習って。時間に急き立てられているのってここ数百年の話なんだ、って。『無駄な時間かも』『この時間で稼げるのに!』とか、本当に大学のとき、思っていたんですよ」
西川「はい」
永井「哲学対話の場でも、なんで1日ぼーっとしていただけで『きょう何もできなかった』と後悔しちゃうんだろう、という問いを出す方がいて。家でぼーっとしていても『リフレッシュした』ということでいいのに、それはダメなことだと罪悪感をおぼえてしまう。そういうのは『病』ですよね」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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