松村雄基が語る『不良少女とよばれて』『スクールウォーズ』など 大映ドラマの世界
「おとなりさん」(文化放送)のゲストコーナー「10時のおとなりさん」の11月15日のゲストに、俳優・松村雄基さんが登場! 多くの大映ドラマに不良役で出演した松村さんが、当時の裏話を語る。
鈴木おさむ「松村さんはいつから芸能の世界に?」
松村雄基「中学二年生の冬休みに、同級生の女子から“タレント事務所の社長さんに会ってくれない?”と突然電話があって。僕は生徒会長だったんですけど、生徒名簿か何かで調べて電話をくれたんです。祖母に相談したら、“無下に断るのも失礼だから会ってきなさい”と言われました。当時は芸能界のことを知らなくて話がかみ合わないまま終わったんです。ところが翌日、学校に行っている間に社長が自宅に来たらしく、祖母から“あの社長さんは良い人だからやるだけやりなさい”という鶴の一声が、芸能界に入ったきっかけです」
鈴木「まず驚いたのが、生徒会長? 不良じゃなかったんですね!」
坂口愛美アナ「たしかに!優等生だったんですね!」
松村「すみません!イメージを覆してしまいましたね(笑) でも、職員室の前に立たされた唯一の生徒会長って言われてました」
松村雄基さんは1980年にドラマ『生徒諸君!』でデビュー。その後1984年に大映ドラマ『少女が大人になる時 その細き道』に出演。
松村「『少女が大人になる時 その細き道』の芝居を気に入ってくださって、次の『不良少女とよばれて』に呼ばれ、その後の『スクールウォーズ』につながりました」
鈴木「『不良少女とよばれて』では東京流星会・会長じゃないですか。あれ真似しましたよ! あれで人生変わったんじゃないですか?」
松村「ありがとうございます(笑) たしかに変わりました。僕はド不良の役をやったことなかったんですけど、暴走族のリーダーの役でした。プロデューサーから“迫力がないからパーマをかけなさい”と言われてくるっくるの髪で現場に行ったら“なんかパーマもいまひとつだな”と言われオールバックにさせられたんですよ」
鈴木「へー!」
松村「衣装も真っ白の上下だぼだぼのスーツで、黒のサテンのテカテカしたシャツで。暴走族の人たちも着ないような服で出たんで、僕にとっては“なんでこれなんだろうなー?”という気持ちが最初はありました。ところが、そのときの監督が厳しい方で、“セリフは誤植まで一言一句たがわずに言え”と言われていたので、この役を全うしようと腹括って。地声だと迫力がないので、ハスキーボイスの喋り方にしてみたんです。」
鈴木「すごい癖でしたもんね!」
松村「あとは一本調子で喋るんです。抑揚をつけると迫力がない気がして、一本調子の方が良いって僕のなかで勝手に思ってやったんですよ」
鈴木「一本調子な喋り方、あれがみんな真似したんですよ! 僕も小6のとき生徒会長で、生徒会の発表で、お芝居を書いてやってみたんです。それがマッチ売りの少女が不良に絡まれてカツアゲされる話で。それは『不良少女とよばれて』のパロディなんですよ。これがめちゃくちゃウケたおかげで、僕は物を書いて人を喜ばせることに気付いて、あの成功体験がなかったら放送作家にならなかったんです。だから『不良少女とよばれて』のおかげなんです」
松村「へー、すごいですねテレビの力って」
鈴木「それから『スクールウォーズ』ですよね」
松村「『不良少女とよばれて』と同じプロデューサーで、オーディションなしでキャスティングされてました」
鈴木「すっごい貧乏な不良の役なんですよ。不良なのに、お腹空いたときに水飲んで我慢する。ああいうキャラクター作りが面白いですよね」
松村「でもあれ実話に基づいてるんですよ。フィクションの部分ももちろんありますけど、僕の役は“弥栄の清悟”と呼ばれた京都で一番恐れられていた不良の方と、後にラグビー日本代表になる大八木淳史さんを足して2で割ったようなキャラクターなんです。だから貧乏エピソードも、それに近いことがあったんですって」
鈴木「現場で山下真司さんはどんな感じだったんですか?」
松村「最初に会ったときは、僕が一日中激高して泣くシーンを撮影するのを静かに見守ってくれて、終わった後に“よかったよ。これからもよろしくな”って声かけてくれました。めちゃめちゃカッコよかったです。今からは想像できない」
坂口「今もカッコいいですよ(笑)」
松村「カッコいいですよ、カッコいいんですけど、お茶目なのが先に立っちゃってて(笑)すっごく愛すべき人ですよね!」
鈴木「今はツッコまれるキャラになってますけど、あの頃は全然違いましたよね?」
松村「現場に台本持ってこないんですよ。“見せてくださいよ”って言っても絶対に見せてくれない。ある時チラッと台本を見る機会があったんですけど、ものすごい書き込みされてたんですよ。それを現場には持ってこないのがカッコよかったですよ」
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