「渋谷ハロウィーン」3割以上 人出は減った…取材後記
文化放送と全国32局の制作協力で、月曜日から金曜日の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。
2023年10月31日の渋谷ハロウィーン
仮装している人も含め、人出は去年に比べてかなり減少し、大きな混乱もなく終了しました。
渋谷区によりますと、渋谷センター街中心部の滞在者数は10月31日のピークでおよそ1.5万人となり、コロナ禍だった去年より3割以上減ったということです。
長谷部区長が9月12日に外国特派員協会で「ハロウィーンを目的に渋谷駅周辺に来ないでほしい」と訴え、渋谷区はおよそ8800万円かけて警備・広報など様々な対策を取りました。
10月27日(金)に渋谷に行くと…
渋谷駅前の広場、センター街の入口にも「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と書かれた大きな看板や横断幕がどーんとはってあります。
また「路上飲酒禁止」と書かれた旗などもあちこちにありました。
センター街を歩くと周知するコメントが流れ、パトロールをする警視庁の警察官の姿も見られました。
この日までは、多くの外国人観光客がハチ公像前に列を作り、記念写真を撮っていました。
渋谷区の危機管理対策部 安全対策課の東浦課長は
「区としては、韓国の梨泰院の事故のようなことを非常に心配している。集まってくる人を減らす対策として、『ハチ公封鎖』。待ち合わせの場所で写真を撮りに来る人もたくさんいるので、このハチ公が見えなくなることで人が少しでも減るんではないかと対策を取った。『路上飲酒』については職員のパトロールを27日から始めていて1日30人が夜の街を歩いて、路上飲みを注意しようと計画している」と話しました。
10月30日、取材した時には…
あきらめきれない外国人観光客は囲いの隙間から覗いてみるのですが、ハチ公像本体も白いカバーにすっぽり覆われていて、どうやっても見えません。
「カバー?オー・マイ・ガッド!」と嘆く姿が見られました。
センター街のコンビニでは、31日の午後6時から酒類の販売を自粛するという張り紙が貼られていました。
渋谷センター商店街・振興組合 鈴木達治理事長に話を聞くと…。
「ハチ公封鎖は致し方ない対応。
今年に関しては事故防止の点から(渋谷に来るのは)控えていただきたい。
商売的にはかなりの痛手。でもそれ以上に事故が起きると大きなダメージがある。
被害としては、店を早く閉めなければならないという経済的な損失被害がある。
混雑で一般のお客様が普通のお店に入れないと同時に、従業員も帰宅困難になる。
従業員を守るという意味もある。
さらにゴミの問題、ガラス瓶を割ってそのかけらが路上や店の前に散らばっていたり…。
店舗敷地内に排泄…非常に苦労して店の人が片づけなければならないのも大きな被害。
今年は厳戒な警備体制を渋谷区・警視庁でやっていただき感謝している」と。
そしていよいよ10月31日…午後2時頃には渋谷駅前広場には仮装している人も数人見られ、観光客が喜んで動画や写真を撮る姿も見られました。
この二人が休憩に入ったところで話を聞くと…
「仮装する人も通る人も少ない。去年の方が楽しかった。」
「人が少なくて寂しい…でも区がそうするといった以上は従うしかないが、やはりハロウィンは仮装して盛り上がりたい」と話してくれました。
センター街ではすでに臨時休業を決めた店もありました。
「今年のバーガーキングはハロウィーンイベントの会場ではありません」の文字が…。
その他も店を早く閉めたり、メニューを変えたり…
午後3時過ぎには多くの警察や警備員が集まり、駅前広場は柵をさらに広げて封鎖され、4時過ぎにはJR渋谷駅のハチ公改札口も閉鎖。
スクランブル交差点付近を通る大通りは通行止めになり、DJポリスも日本語・英語で車両などの上からマイクで注意を促し、通行人は警備員の誘導で進み止まることはできません。
センター街も中央に柵が設けられ、一方通行に…。
渋谷区は10月27日~1日朝にかけて、民間警備を去年の2倍近いおよそ370人、区の職員を去年の3倍にあたる180人動員しました。
街の人からは「マナーを守って楽しむなら、来るのは自由」という声も聞かれましたが、
2024年のハロウィーンはどうなることか…。
都庁担当記者 伊藤佳子