「こだわり」を持つのもいいけど仕事の場合は話が別?
11月1日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「こだわり」をテーマに語り合った。少し前、アメリカで日本式のお弁当を出したところ「学校には適当なものを持たせてください」「ほかの親御さんへのプレッシャーになります」と言われたらしい、というつぶやきがSNSで話題に。そのお弁当の話から始まり、そもそも「こだわり」とは何か、という点にまで迫った。
西川あやの「(リード文の)つぶやきには続きがあって。『日本は冷食でも手抜き、愛情不足と気にするけど、お弁当の見栄えと子どもへの愛情は関係ないよね』と。けっこう共感するんですけど」
石戸諭「いいんじゃないですか。栄養なんてどこかで帳尻合わせればいいんだから、昼ぐらい『こんなんでいいだろう』って、そのとおりだなと」
西川「ただ日本式弁当を持たせた保護者の方が、すごく弁当づくりが好きで、これが私の喜びなんです、となっていたら話は違ってきますね」
永井玲衣「愛情表現かどうかはお弁当だけじゃわからないですよ」
石戸「プレッシャーでやっていたのかもしれないし、慣習だっただけかもしれない」
西川「高校のとき1ヶ月ぐらい、ニューヨークに行っていたんですよ。するとみんな、映画に出てくるような、取っ手すらない茶色い紙袋に、ラップで包んだグリルもしていないサンドイッチとかを入れて。レタスとハムとチーズをバーン、と挟んだようなものを食べていました」
石戸「それと果物、みたいなやつでしょう。リンゴを丸かじりとか、よく映画、ハイスクールもので見る」
西川「時間をかけたものがいい、みたいな風潮もありますよね。たとえばお二人、文章を書いて生活されていますけど、時間をかければかけるほど、自分に満足のいくものができるんですか?」
永井「時間はあまり関係ないかもしれないです。こだわりってなんだろう、と思いながら(話を)聴いていますけど、文章のこだわりは私、あるんですよ。これは書かない、とか。たとえば『ひと』という字を、漢字よりひらがなで書く、みたいな」
西川「それってどこから生まれたものなんですか?」
永井「わからないんですよ。理由は説明できない、些細に思われるかもしれないがなぜか固執してしまうことを『こだわり』っていうんじゃないか、と今、モヤモヤしています」
西川「ちなみに『こだわる』を辞書で引くと、『すらすらといかないで引っかかったり支えたりする』『気にしなくていいようなことが心にかかる』『気持ちが捕らわれる』『わずかなことに理屈をつけて文句を言う』『ある物事に強く執着して、そのことだけは譲れない、という気持ちを持つ』」
石戸「一般的にはこれ(最後の)でしょう? 物事への執着と、譲れない気持ち」
西川「そう言われると『こだわり』がマイナスなもの、みたいな印象も受けますけど……」
石戸「さっきの質問に答えると、時間をかけたほうがいいことはいいの。何度か往復したほうが丁寧になるし。ただどこかで結論は出さなければいけない。時間をかけ続ければ無限によくなる、ということはない。『これでいい』と思わないと永遠に完成しない。そんなこと言ったら、ひとつの記事だって完成しない。本なんか永遠に」
西川「そうですよね」
石戸「手を入れ続けたほうがよくなるのはわかるけど、それを続けたら世に出ない。どこかで出さないといけないから。自分だけの楽しみだったならいいけど」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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