値上げだけで3300億円!大手電力会社の業績復調に森永氏、小首をかしげる

値上げだけで3300億円!大手電力会社の業績復調に森永氏、小首をかしげる

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11月1日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、大手電力会社の業績が復調しているというニュースについて意見を交わした。

電力会社、民営化させるのはいいとして、上場させるのはどうなの!?

大手電力の業績が復調している。10社の2023年4~9月期決算が昨日日出そろい、連結最終損益は合わせて1兆6159億円の黒字となった。値上げだけで3300億円の収益が改善し、沖縄電力を除く9社が4~9月期で経常最高益となった。

寺島尚正アナ「大手電力会社の業績の復調、値上げだけで3300億円の収益が改善したと。これ凄い額ですねえ?」

森永康平「そうですねえ、電力会社っていうのは国民のライフラインを握っているので、変な話、単純に値上げすればそれだけ儲かるんですよね。何でかっていうと今のご時世、電力無しですってなった時に我々まともな生活出来ないわけじゃないですか。なのでそういう意味では、民間企業がやることの良し悪しって言うのは考えなきゃいけないし、僕は前から言ってるんですけど、国営でやると効率性が下がるとか、腐敗が横行するとかと言って、だからこそ民営化で市場競争に晒して効率化を図れって言うのが、今までとってきた議論ではあるんですけど、ただ一方で民間でかつ上場させてる電力会社が多いわけじゃないですか。儲かった時に、その利益ってライフラインの設備投資とかにちゃんと回るんですかとか、従業員の給料にちゃんと全部回っていくんですかって言うと回らないじゃないですか。投資家に対する配当とか電力会社は出してるんで。『それってどうなん!?』って言う話になってくると、僕は思うんですよね。だからやっぱりライフラインまわりの会社を、民営化することの是非?でまあ、民営化するのはいいとしても、上場させるのはどうなの?みたいなところを、このあたりは再度議論すべきだと思うし、『一度もう民営化しちゃったし上場化しちゃったんで、しょうがないッス』って一種の思考停止な状態は、改めるべきだと思いますけどねえ」

寺島「この相次ぐ最高益にもうけ過ぎという批判も出ているようで、収益が出たとなると今後値下げに動くのかどうかとかね、中部電力は2024年度以降の電気代について値下げの検討を始めたということではあるようですけれども、先ほど森永さんがご指摘の通り、う~ん、これ、上場してるしどうなんだろう?ってことですよねえ」

森永「電力料金って毎月簡単に上げ下げ上げ下げってそう簡単に出来るもんじゃないじゃないですか。だって値上げ申請も一回拒否されて、計算し直してやっと通したものでしたから。そう考えるとね、やっぱり難しいですよ。だって特に今、原油価格がどうなるかわからない局面に来ちゃってる中で、『ここで値下げします』ってなった瞬間に中東の戦局が拡大して、例えばですけど1バレル120ドルとか150ドルみたいな話になった時に、また再び電力会社が赤字にドーンと落ちてしまって、『結果的に赤字なんで設備投資できません』みたいな話になってですね、『安全性が低下したから、原発は動かせません』とか『火力発電所1個潰します』みたいなことになったら、また僕らの電気代が上がっていく、みたいな。非常にライフラインまわりは本当に電力だけに限らず水道とかもそうですが、民営化させることの是非、上場化させることの是非、このあたりは再度議論してもいいんじゃないかと思います」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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