会議で眠くなるのは異常!?睡眠の世界的権威が警鐘を鳴らす!
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2023年10月9日の放送は、2月にお送りした「睡眠は、私たちに何をもらすのか?」の特別編。常連さんに株式会社オンギガンツ代表取締役で、脳科学者の松田雄馬さん、そしてノーベル賞の有力候補とも称されるクラリベイト引用栄誉賞を受賞した筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI IIIS)機構長・教授、株式会社S’UIMIN代表取締役社長の柳沢正史さんをお招きした放送の、未公開部分を含めての放送をお届けしました。未公開部分としてお送りしたのは、コロナ禍とデジタル生活の話題で…
松田:コロナ禍でデジタル生活になった時にみんな体がおかしくなり、いかに体を休めるかが大切になってきました。
入山:コロナ禍で睡眠のバランス崩した方いますよね。
柳沢:コロナ禍は、諸刃の剣だったなと思うんですが、リモートワークの浸透で通勤しなくてよくなった人が現れました。興味深い統計があって、片道の通勤時間が1時間増えるとに睡眠時間が1時間減ると言われています。だから、通勤しなくなったことで、睡眠時間が確保できるようになった人もいる反面、仕事のメリハリなく没頭してしまい、変な時間に寝る人もいて、コロナ禍で睡眠の問題が顕在化しました。
松田:仰る通り、いかに生活リズムを作るかがいかに大事で。デジタルを毛嫌いしていたけど、コロナ禍に必要だからとデジタルを導入して、新たな生活リズムを作れない人もいますよね。改めてデジタルの価値を理解して、一方でデジタルにできないこともあるよねと確認すると、生活の中でのデジタルの割合と、非デジタルの割合が分かってくると思うんです。こうすることで、皆さんならではのデジタル生活のバランスが作れます。
柳沢:ベッドでのスマホは良くないというけど、オーストラリアの調査研究にこういうのがあります。テレビや映画を見るのは受け身だから、これはそこまで悪くないし、眠くなる。良くないのは、インタラクティブなSNSや、次々と動画を見させるYouTubeやTikTokのショート動画。いつまでたってもこれだと眠くならない。さらに睡眠不足と言っても、その自覚がある人はごく一部で、日本人は昼間つまらない会議をいっぱいうやっていて…
入山:いっぱいありますね(笑)
柳沢:つまらない会議で、眠くなるのはしょうがないと思うかもしれないけど、国際標準で見たら、これは異常なんですよ。特にヨーロッパの人にとっては、昼間活動しているときに眠くなるのは、体調が悪いって思われるんです。日本人はおかしいんです。
入山:確かに、日本だと会議で寝ているおじさんをよく見ますけど、こっちからすると「自分の話がつまらないのかな」と思うけど、そうじゃないと。
柳沢:昼間眠いのは異常だと思わないといけないんですよ。
この後、小学生の睡眠不足とアルツハイマー病の深~い関係に一同驚愕!こちらからご覧ください。
ゲスト紹介
松田雄馬さん
大学院修了後、NEC中央研究所に入所。東北大学との脳型コンピュータプロジェクトの立ち上げ、博士号の取得を経て、独立。2017年には、オープンイノベーションを支援する合同会社アイキュベータを設立し、共同代表に就任。その後、株式会社オンギガンツに社名変更し、代表取締役に就任。
柳沢正史さん
31歳で渡米し、テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授とハワードヒューズ医学研究所研究員を2014年まで24年にわたって併任。2010年に内閣府最先端研究開発支援プログラムに採択され、筑波大学に研究室を開設。2012年より文部科学省・世界トップレベル研究拠点プログラムの国際統合睡眠医科学研究機構の機構長・教授に就任。活動は国内外で高く評価され、これまで紫綬褒章、文化功労者などに加え、今年はグーグルやフェイスブックの創業者らによって創設された「ブレークスルー賞」の受賞も決まっている。
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この記事の番組情報
浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…