佐藤優が改めて分析!「ロシア・ウクライナ戦争は実質第三次世界大戦です!」
10月5日(木)の「くにまる食堂」(文化放送)に作家で、元外務省主任分析官の佐藤優さんがご来店! 最初のコーナー「今日のA定食」では、重い病気を経て、およそ1年半ぶりにご登場の佐藤さんに、改めてロシア・ウクライナ戦争について分析していただいた。
野村邦丸アナ「さて、優さん。およそ1年半ぶりということで、1年半前というとちょうどロシアがウクライナに侵攻しました。その時に優さんが今後どうなるんでしょうかと」
佐藤優「要するに、それに関しては私、間違えたんです。2つ間違えました。
1点目、私が当時予想したのが、ウクライナは軍事的にそんなに持ちこたえられないだろうと。キーウが占領されるかどうかはわからないけども、そう長持ちしないと思うと。これが1点目ですね。
2点目、他方経済制裁がロシアにかけられるから、ロシアの経済が大変なことになって、経済的に1年、1年半もロシアはもたないだろうと。こういう風に見たんですよ。実は私だけじゃなくて専門家ほとんどすべてがそう見ました。全員外れた。
まず1番目、ウクライナは国土の2割を占領されちゃいましたよ。面積とすると北海道と九州を足したぐらいが占領されちゃってんの。それだけども、軍事的に持ちこたえてるの。その理由は何故かというと、もうこの戦争は事実上の第三次世界大戦なんですね。西側連合、アメリカ・ヨーロッパを中心にした国が、全力で武器を支援していると。これが1点目。
2点目、GDPからするとロシアって、韓国と同じくらい。アメリカの大体10分の1ぐらいなんですね。ウクライナは、バイデン大統領自身言ってます、『もう弾が無い。我々もほとんど弾が無いからクラスター弾を使う』って。ロシアは弾切れ起こして無いんですよ。何でか?っていうことなんですね。
実は私、こういう風に考えているんですよ。私、今年の6月に腎臓手術を受けて、そのあと免疫抑制剤とステロイド剤を飲んでるんですね。免疫抑制剤を飲むと膵臓からのインシュリンの出る量が減るんです。それから、ステロイド剤を飲むと血糖値が上がるんです。だから一時的に薬物性の糖尿病になっていて、1日3回、インシュリンペン、針でインシュリンを射ってるんですね。これ、保険適用になりますからひと月4000円なんですよ。邦丸さん、アメリカでまったく同じ治療を受けたら、ひと月いくらになると思います?」
邦丸「高いんでしょう? えっと……2万か3万?」
佐藤「60万円です」
邦丸「60万!?」
佐藤「それがGDPに加算されてるわけ。だからアメリカのGDPっていうのはロシアの10倍。アメリカのGDPのうち2割が医療費なんです。だからロシアの全部のGDPってアメリカの医療費の半分しかないの。
ところがそれはものすごく高い薬代とか、あるいは訴訟代とか、こういうのが全部GDPに積み重なってるの。ロシアのGDPは鉄鋼とか、ガスとか、小麦とか物と結びついてるから、数は小さいけども実体がある。だからどうもGDPが国力を反映しなくなっちゃってるっていうのが、今回の戦争で見えちゃったことなの」
邦丸「はいはいはいはい」
佐藤「だからこの前金正恩さんがロシアに行ったでしょ? 日本の新聞のほとんどは、ロシア弾切れだから、金正恩さんが弾を送るんじゃないかと、こういったことばっかり書いてたでしょう? ところがね、ありえないシナリオなのよ。どうしてかというとロシアは弾切れになってないから。それから北朝鮮製の弾ってね、皆さんここだけの話東南アジアのある国に言えば買えますから。売ってるから」
邦丸「売ってる?」
佐藤「だからロシアの民間軍事会社を使って、北朝鮮の会社から弾を買うってことが出来るの。もちろんアメリカのCIAは追いかけてるからね。こいつら買ってるじゃないかって追及はしてくるよ。でもね、民間で裏で買えるものを、何で首脳会談で合意して全世界から非難されるようなことをしないとなんないんですか。だからそういうところでも、ロシアが弾切れを起こしてないっていうのが、凄くやっぱり怖い話なの」
この後も、佐藤さんによるロシア・ウクライナ戦争についての見識は続いた。さらに「こだわり定食」では、党に無断でロシアを訪問した鈴木宗男議員の情報についてもお話しいただいた。気になる方はぜひ、radikoのタイムフリー機能でご確認ください。
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