優勝争いは前回王者駒澤大学を軸に展開か(※レース結果確定版)~第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継
学生三大駅伝のシーズンがいよいよ幕開け!
10月9日には出雲駅伝が先陣を切って開催されます。
文化放送では今年度も学生三大駅伝を全て実況中継。
出雲駅伝実況中継は立教大学陸上競技部男子駅伝監督である上野裕一郎さんを解説にお迎えしてお送りします。
文化放送スポーツスペシャル第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継
レース結果(確定版)
※表紙写真は陸上競技マガジン提供
昨年度は、駒大が出雲駅伝を制した勢いそのままに、全日本大学駅伝、箱根駅伝をも制し、史上5校目の学生駅伝三冠の快挙を成し遂げた。
出雲は6区間45.1㎞と距離が短く、タフさが求められる全日本、箱根とは特色が異なるが、シーズンを占う上でも重要な一戦であることに変わりはない。
優勝争いは前回王者の駒大が軸となりそうだ。
昨年までの大エース・田澤廉(現トヨタ自動車)が抜けても、1万m27分台の記録を持つ主将の鈴木芽吹(4年)、篠原倖太朗(3年)、アジア大会5000m代表の佐藤圭汰(2年)と、学生長距離界のトップクラスの選手が揃う(佐藤はアジア大会から中4日での参戦となる)。
1万m27分台の唐澤拓海(4年)がメンバー外となったが、前回1区2位と好走した花尾恭輔(4年)、5区区間賞の安原太陽(4年)は順当にエントリーされた。
さらに、地元・出雲工高出身の伊藤蒼唯(2年)、昨年の全日本4区区間賞の山川拓馬(2年)もおり、強力な布陣を築けそうだ。
現総監督の大八木弘明氏が監督を勇退し、藤田敦史監督が指揮をとる初めての三大駅伝となる。
幸先よく初陣を飾りたいところだ。
1区篠原 2区佐藤圭汰 3区山川 4区伊藤 5区安原太陽 6区鈴木芽吹
中大も前評判が高い。
吉居大和(4年)、駿恭(2年)の吉居兄弟、中野翔太(4年)、溜池一太(2年)らスピード自慢がそろっており、スピードで他を圧倒したいところだ。
また、主将の湯浅仁(4年)や阿部陽樹(3年)は堅実な走りが持ち味で、即戦力ルーキーの柴田大地も控える。
バランスの良いオーダーを組むことができそうだ。
吉居兄弟の兄・大和は、前回は1区区間賞と好スタートを切った。さらに、昨年度は全日本6区、箱根のエース区間2区と、三大駅伝全てで区間賞に輝いている。
ただ、10月1日に行われた世界ロードランニング選手権の5㎞で14分11秒と本来の力を発揮できなかった点は気がかりだ。
一方、弟の駿恭は絶好調。
9月30日のアスレチックスチャレンジカップでは5000mでは自己ベストを5秒更新し、今季の日本人学生最速となる13分22秒01をマークして優勝した。
今季は高いレベルで安定しており、チームの大黒柱になりつつある。
1区浦田 2区中野 3区吉居駿恭 4区阿部 5区溜池 6区湯浅 吉居大和エントリーされず
4年前の王者・國學院大は、その当時の活躍を見て同大に入った選手たちが、現在主力として活躍しており、前回大会は駒大に次いで2位に入った。その後の全日本も2位、箱根が4位と好成績を収めた。
今や強豪校の風格が漂うが、4年前の優勝が足掛かりとなったのは間違いない。
伊地知賢造(4年)、平林清澄(3年)、山本歩夢(3年)の三本柱は強力だ。
今季は3人ともケガで出遅れたが、夏前には復活し、山本は5000mで13分34秒85、平林は1万mで27分55秒15と、それぞれ國學院大記録を樹立。
伊地知は9月の日本インカレで1万m日本人トップと力を見せつけた。
全日本5区区間賞の青木瑠郁(2年)、箱根7区6位の上原琉翔(2年)も力がある。
さらに、チーム屈指のスピードを誇る鈴木景仁(4年)は、今季1500mで好記録を連発しており、出雲では優勝のキーマンとなるかもしれない。
優勝候補の一角と見ていい。
1区上原 2区青木 3区伊地知 4区山本 5区高山 6区平林 補員鎌田 田中愛睦 メンバー外鈴木景仁 木村
昨季から指揮をとる花田勝彦駅伝監督のもと、箱根駅伝で6位に入り、シード権を取り戻した早大も、軸となる選手がそろう。
石塚陽士(3年)は1万mで27分台に突入(27分58秒53)、5000mも13分33秒86とチームトップの記録を持つ。
山口智規(2年)と伊藤大志(3年)も5000mで13分30秒台を連発しており、高いレベルで安定している。
3人はクラウドファンディングで集まった資金をもとに9月にプラハに遠征し、ハイレベルのレースで揉まれた。その成果を見せたいところだ。
さらに駅伝主将の菖蒲敦司(4年)はワールドユニバーシティゲームズの3000m障害で銅メダルを獲得するなど今季好調。
スピード自慢の間瀬田純平(2年)、即戦力ルーキーの工藤慎作らも順当にエントリーされた。
13年ぶり3回目の優勝の好機だ。
1区伊藤大志 2区山口 3区石塚 4区工藤 5区間瀬田 6区長屋
順大は、大エースの三浦龍司(4年)がラストイヤーを迎えた。
今夏はブダペスト世界選手権で3000m障害6位入賞するなど世界大会で大活躍を見せている。
地元の島根県で成長した姿を存分に見せてくれるだろう。
5000mの日本高校記録保持者・吉岡大翔をはじめ1年生が4人もエントリーされた。
昨夏のインターハイで800m、1500mの2冠の大野聖登、今年の日本インカレ1500m優勝の後田築とスピード自慢がそろう。
若い力がうまくはまれば、優勝争いに加わってきそうだ。
1区吉岡 2区村尾 3区浅井 4区海老澤 5区森本 6区石井 三浦龍司エントリーされず
青山学院大は昨年度は無冠に終わったが、選手層の厚さでは群を抜く。
9月24日の絆記録挑戦会ではなんと17人が5000m13分台をマーク。
10月1日の奥球磨駅伝でも大学・実業団の部でAチームが優勝、Bチームが3位の好成績だった。そのメンバーからは小原響、倉本玄太(ともに4年)がエントリー。
出雲を走れるのは6人だけだが、チームとして状態の良さが窺える。
関東インカレ(2部)5000mで2年連続日本人トップの鶴川正也(3年)は、三大駅伝未経験だが、高校時代は全国高校駅伝1区区間賞の実績があり、本来は駅伝男だ。
上級生中心のエントリーとなったが、駅伝で実績のある太田蒼生、若林宏樹(ともに3年)、3000m障害の実力者、黒田朝日(2年)と好選手がそろう。
出雲を制して、勢いに乗りたいところだ。
1区野村 2区黒田 3区佐藤一世 4区山内 5区鳥井 6区鶴川
創価大も好調だ。
先述の通り、9月24日の絆記録挑戦会の5000m3組では青山学院大勢に好記録が連発したが、4000mまでペースメーカーを務めたのが創価大のスティーブン・ムチーニ(1年)だった。
さらには、リーキー・カミナ(3年)が1着、1年生の小池莉希が2着と、2人は青山学院大の主力選手たちに先着している。佐久長聖高出身の小池は、高校時代は全国高校駅伝に出場していないものの、創価大に入学して好記録を連発し、U 20歴代9位の13分34秒82をマークした。
東海大から編入した吉田響(3年)の駅伝デビュー戦にも注目だ。
そのほかにも、山本唯翔(4年)、ヴィクター・キムタイ、斎藤将也(ともに2年)の強力な三本柱を擁する城西大、ワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソン日本代表の松永伶(4年)を擁する法政大、エース・松山和希(4年)が復活した東洋大も上位に進出する力はある。
今回もやはり関東勢が中心のレースとなりそうだ。
創価2区小池 3区カミナ 5区吉田響 ムチーニメンバー外
城西1区斎藤 3区キムタイ 6区山本
法政1区松永
東洋4区松山
また、皇學館大、立命館大、大阪経済大、環太平洋大の4校は、5日後に箱根駅伝予選会が控える。
1万m28分台の山﨑皓太、5000m13分台の大森駿斗(ともに3年)を擁する立命館大は4大会ぶりの入賞を目指す。
皇學館大は、國學院大OBの寺田夏生監督の初陣となる。予選会の前に箱根のシード校に挑み、自信を付けたいところだろう。
立命館3区大森6区山﨑
TEXT&PHOTO
和田悟志(Wada satoshi)
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この記事の番組情報
『オレは摂取す』Presents 第36回出雲全日本大学選抜駅伝競走実況中継
10月14日(月・祝) 13:00〜15:30
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