【西武】田村伊知郎投手インタビュー 「『この1回』と思ってマウンドに立っているので、1イニング終わった時に自然と感情が出てしまう」

【西武】田村伊知郎投手インタビュー 「『この1回』と思ってマウンドに立っているので、1イニング終わった時に自然と感情が出てしまう」

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9月22日放送のライオンズエクスプレスでは、埼玉西武ライオンズの田村伊知郎投手にインタビューした模様を放送した(インタビューしたのは9月19日)。8月の再昇格以降好投を続け、現在は12試合連続無失点中の田村投手(9月22日現在)。20日の試合では最終回を任され、2年ぶりとなるセーブも記録した。今シーズンここまでの振り返りに加え、マウンドで見せる『熱い』姿についても訊いた。

――9月19日(インタビュー日)は、29歳の誕生日。おめでとうございます!
田村「ありがとうございます(笑)」

――シーズン中に誕生日があるというのはいかがですか?
田村「いい気持ちで誕生日を迎えられるように直前から意識しちゃうんですけど、今年はいい形で誕生日を迎えられたんじゃないかなと思います」

――11試合連続で無失点ということで(19日試合前現在)、改めて今シーズンここまでの手ごたえはいかがですか?
田村「ファームの方でもたくさん登板の機会を頂いて、再昇格してからもたくさん頂いているんですけど、体の痛みもなく、自分の試合に向かう段階での体の準備への充実感がすごくある。そこはすごく大きな手ごたえだと感じています」

――体がしっかり動いているということですか?
田村「そうですね」

――昨年は3試合の登板でしたが、体のコンディションの面で苦しいところがあったのでしょうか?
田村「そうですね。肩が痛かったりもしたので自分との戦いの時間が長くなってしまって、100%相手に向かっていくことができなかったのが悔しい部分だった。そんな昨年から今年ということで、より変化を実感できているというか、より手ごたえを感じています」

――万全な状態の体から繰り出されるボールはいかがですか?
田村「昨年よりはいい球を投げられているんじゃないかなと思います」

――一番自分が手ごたえを感じている球種はどのボールですか?
田村「どの球種もレベルアップしようと思ってやってきたので、どれも自分の中では向き合ってきた、磨いてきたボールだと思っています」

――一番自信を持って投げることができている球種はなんですか?
田村「多分落ちるボールですかね。割と投球の数も多いので」

――空振りも取れている球種ですね?
田村「はい。比較的取れているんじゃないかなと思います」

――昨年を経て今年にかける思いはとても強いように感じますがいかがですか?
田村「本当に今年ダメなら最後だという気持ちでシーズンに入った。ここ数年ずっとそんな気持ちではあったんですけど、例年以上に『今年に、今年が』という思いはありました」

――シーズン序盤はビハインドでの登板が多かったかと思いますが、夏場以降からは競った場面、9月には勝ちパターンでの登板がありました。起用されるシーンが変わってきていることについてはいかがですか?
田村「あまりそこは意識していなくて、あくまでも自分が日々やってきたことの結果として、首脳陣の方が決めてくれることだと思う。やってきたことがそういう形で結果として出ていることに嬉しい気持ちはあるんですけど、あくまでもやることは変わらず準備をしっかりやって試合に臨むということかなと。目の前(の試合)に100%注げるようにという気持ちでやっています」

――『どんなシーンの登板でも』というのは入団時から変わらぬ気持ちですか?
田村「今年の序盤はファームで投げることが多かったんですけど、ファームのマウンドだろうが、一軍のビハインドだろうが、競った場面だろうが、いつもやることは変わらない。自分の持てる力を全て出してバッターに向かっていくところだけは変わらないと思っているので」

――リリーフだとイニング途中からというケースもあるかと思います。そのような際の気持ちの作り方はどのようにされていますか?
田村「繰り返しにはなってしまうんですけど、マウンドでできることって自分の持てる力を全て出すだけだと思っているので、それができるようにブルペンで気持ちを作ってマウンドに行く。そういう意味では投げる場面が変わらないというところにも繋がってくるんですけど、ピンチの場面だろうと同じだと思って臨んでいます。自分がコントロールできるのはそこかなと思っているので、その範囲は100%に近い状態で毎回できるようにというだけです」

――田村投手といえばマウンドでの『吠える』姿が印象的で、ファンの中でも話題になっています。
田村「本当ですか(笑)」

――やはり出てしまうものなんですか?
田村「出ちゃいますね。全然意識してパフォーマンスでやっているわけではないんですよ」

――それだけ気迫を込めて投げているということですね?
田村「そうですね。『この1回』と思ってマウンドに立っているので、1イニング終わった時に自然と感情が出てしまうというような感じですね」

――昔からそうなのですか?
田村「高校1年生くらいまではそんな感じじゃなかったんですけど」

――何かきっかけがあったんですか?
田村「高校の時に監督・コーチに感情を表に出すのを教えてもらったのもありますし、それが自然とスタイルになっていったみたいなところがあるかな。振り返ってみるとそう思いますね」

――田村投手が無失点で抑える中、Twitter(現在はX)で『#たむいち』がトレンド上位にも入ってきて、ワードが浸透しつつあります。
田村「そうですか(笑)。まあ田村伊知郎という名前じゃなかったらそう呼ばれることもなかったと考えると、それも自分の持つ特徴のひとつなのかな。そう思うと嬉しいですね」

――ファンの方からこうして注目されることに関してはいかがですか?
田村「やっぱり認識してもらえたり、自分のプレーで盛り上がってくれたりするのは純粋に嬉しいですね」

――今シーズンも残り少なくなってきましたが、ファンの皆さんへどのようなピッチングを見せたいですか?
田村「初勝利の時にも同じようなことを言ったかと思うんですけど、本当に目の前の一球一球を後悔がないように全力でぶつけていく。ここ何年ずっとそれだけはやろうと思って投げているので、その姿は変えずにやっていきたいです。その部分が皆さんに何か少しでも残っているのであれば、よりそれを今後も続けていきたいなと思います」

――一球一球全力で魂のこもった投球を期待しています!
田村「ありがとうございます。頑張ります!」

※インタビュアー:文化放送・高橋将市アナウンサー

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