準硬式出身ドラ5大曲錬『制球力と変化球を磨いて』一軍昇格を誓う【若獅子インタビューvol.4】
2020年ドラフト5位で西武入団したルーキーの大曲錬。
高校2年生の秋に投手に転向し、福岡大学に進学後は準硬式野球部に所属した。大学3年生のときにサイドスローからオーバースローに変え、その秋にMVP、最多勝、最多奪三振などを獲得したことでスカウトの目にとまり、自身も本格的にプロを意識し始めた。
身近にプロ野球の道に進んだ人が居たことも大きい。同じ西武の山田遥楓は中学時代に所属した佐賀ヤング藤本ベースボールクラブの2学年上の先輩で、大曲の兄とは同級生にあたる。2月にA班に合流し、思うような結果が出なかった時も、山田には「いいストレート持ってるんだから思い切っていけよ!」と声をかけてもらった。「ロッカーで会うたびに声を掛けてくれるので元気をもらっています」と同郷の先輩が身近にいるのは心強い。
ここまでイースタン・リーグ公式戦での登板数は8試合。
「準硬式あがりということもあって、いかにボールに早く慣れるかというのが一番の課題でした。」自分では慣れているつもりでも、いざ試合になると力が入ってしまい、それが抜け球になることが多い。打たれたヒットも完璧にとらえられるものが多いわけではないが、ボール先行の投球で四球が多すぎるところは修正すべき点だ。
「二軍の選手より一軍の選手の方が当然、選球眼もいい。そういう意味で制球力は要で、一軍にあがった時に一番必要な部分かなと思っています。今のうちに修正していきたいです。」
制球力を高めるためにはまず、体幹トレーニングやウエイトで丈夫な足腰を作ることが重要になる。179㎝、78kgと細身の大曲は下半身が弱く、安定感に欠ける。投球で左脚を上げた時に身体がふらついてしまうため、着地した際に左脚が前に滑っている感覚があるという。強く安定した球を投げるためにも、しっかり右脚で全体重を支えることができる、強さが必要だ。
入団当初、周りの選手たちの身体をみて「一つひとつ(の部位の筋肉)が大きくて、このままだと負ける」と増量を試みたことがあったが、それにより体のキレがなくなってしまった。以降は瞬発系のメニューを選び、筋肉量を増やしていくことに重点を置いてトレーニングをしている。
アピールポイントであるストレートは入団後MAX153㎞、「速ければ速いほどいいと思う」と156kmを目指す。「変化球も磨いていきたい」と、大学時代は、カットボール、チェンジアップ、スライダー、スプリット、フォークの5種類だった変化球を「全球種が一度に良くなることはないと思うので、自信のある2つを選びました。しっかり投げられるように磨いていった後に、再び球種を増やしていければと思います」スライダーとスプリットの2種類に絞った。
目標は今シーズン中に1日でも早く一軍にあがること。制球力と変化球に磨きをかけアピールしていくと誓った。
【大曲錬(おおまがり・れん)投手プロフィール】
1998年5月21日生まれ(22歳)/179㎝・78kg/右投げ右打ち/福岡県出身/柳川市立招代中学校~西日本短期大学付属高校~福岡大学/2020年ドラフト5位で西武入団
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