「宗教世2世」問題はカルトだけじゃない!お寺の子どもやクリスチャン2世が明かす悲痛な声とは
著書『だから知ってほしい「宗教2世」問題』を著した、宗教社会学者の塚田穂高さんと、ジャーナリストの藤倉善郎さんが9月11日の大竹まことゴールデンラジオに登場。カルトだけではない問題点について伺った。
大竹「今回は『だから知ってほしい「宗教2世」問題』という本を紹介させていただきながら いろんなことを伺っていきたいと思います。この問題に詳しくなられた理由を知りたいんですけど藤倉さんからお願いできますか。」
藤倉「僕は大学時代に新聞サークルにいて、当時大学の中で自己啓発セミナーという、宗教ではなくスピリチュアル産業のような会社がやってるものが流行して問題になって、それを取材して記事を書いていたのが高じて、大学を辞めて。(笑)ライターになりまして、そこからマインドコントロールとか、お金の被害とかっていう話のつながりで、宗教の問題も取材するようになって今に至るという感じですね。」
大竹「塚田さんはどんな動機でこの宗教の問題に関わっていらっしゃるんですか?」
塚田「私は大学は辞めてないんですけれども…」
大竹「ちょっとマウント取ったね。(笑)」
塚田「宗教学の研究者なんですけど、基本的には宗教のことが好きですし、特に日本の宗教、いわゆる信仰宗教新宗教も含めて、あるいは神道とか仏教も含めて面白いと思ってるんですよね。日本の宗教文化は多様ですので、その多様さにクラクラして研究の道に進んだんですね。」
大竹「巷では統一教会とかオウムとかが話題になっておりますが、問題になるのはカルトだけじゃないんだというお話ですよね。」
塚田「どこがカルト宗教かというのはなかなか決めにくいものですし、メディア等では社会的に様々問題ある団体とされていますけど、我々の関心はそこだけではありません。昨年来、旧統一協会だとかあるいはエホバの証人という団体名も上がっていますけど、そこだけ改めようとか、どうにかせよということではなく、もう少し広く見てみることが必要だと考えてます。」
大竹「本の中ではいろんな宗教に関わった方々の体験談が出ております。参考のため紹介します。」
私の家族構成は父母兄弟の5人家族で、父は未信者、弟は高校の時に自死している。父は未信者のまま亡くなり、母と兄は今もエホバの証人の信者として活動している。私の生い立ち詳細は省略するが、幼少期から布教活動、宗教活動を強制された。教団の教えに背くと母から鞭で臀部を叩かれる体罰を受け、この世はサタンの世の中という教えのもと、自由な交友や恋愛を禁じられ、窮屈な子供時代を送ってきた。
お寺の子が、住職や住職の妻になる以外の将来を展望すると、「“お仏飯”で育ったのだから仏様に恩返ししなさい、バチが当たる」ということを言われ、住職になる以外考えてはいけないように思い込まされた。何よりも耐え難かったのは、家ではこれほどの横暴な父親が、外では人の道を解く僧侶であること。酒を飲んでは「俺の稼いだ金で飯を食うな」と暴言を吐き、母親が用意してくれた食事を捨てたり、「女のくせに」と母親をこき下ろしたりしているその人が、「すべての人間は平等、お肉や野菜、食べ物はすべて何かの命をいただいている」などと教えようとき、一時は地元の保護士まで引き受けていたのです。
(クリスチャン2世の言葉)無意識のうちに良い子を演じてしまう。親の言行不一致を目の当たりにする。キリストを信じて死ぬか信じないで死ぬか、天国か地獄かが決まるという考え方が納得できなかった。人を否定しないと生きていけない生き方はしんどい。日曜日は礼拝厳守のため部活に参加できなかった。良いことが起こると神様のおかげ、悪いことが起こると試練・サタンといって思考停止。婚前交渉しないように指導された。
藤倉「今読んでいただいたところで大事なのは、一番目のエホバ証人の方のお話で、鞭で叩かれたとありますが、親がたまたま鞭で叩いたのではなく、エホバの証人の中ではそれが普通のことで、教えの一部にとして実践されているということなんですね。」
塚田「何年もやってきたわけです。」
藤倉「するとそれは親の問題ではなくて、その宗教の問題になるのではないかと思うんです。一方、お寺の子供のケースとかクリスチャン2世のケースになると、宗教の教えそのものは極端ではないんだけれど、たまたま親の性格が悪かったり押し付けが強かったりすると、教えの内容は問題がなくても、子供にものすごい抑圧を与えてしまうという問題が生じます。」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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