見どころ&注目のランナー
今回40回目を迎える全日本大学駅伝は、全国8地区の学連から選抜された精鋭25大学
によって学生日本一が争われます。名古屋熱田神宮から伊勢神宮を結ぶ8区間106.8kmの舞台で真の大学日本一が決まります。
やはり昨年全日本と箱根を制した駒澤大学が優勝候補ナンバーワンではないでしょうか。
10月13日に行われた出雲駅伝では、最後に日大・ダニエルにかわされ2位に終わったものの、出場したランナー全員が区間5位以上を記録するなど抜群の安定感は健在。
3年生の宇賀地強・深津卓也・高林祐介・星創太を中心に圧倒的な層の厚さを誇り、
区間の距離が延び、走る選手の数が増えれば更に強くなるのは明らかで、全日本三連覇は視界良好と見ました。
出雲で4年ぶりの優勝を飾った日本大学は、6区のダニエルが区間新記録の快走で
1分30秒差を逆転勝ちし、ロードでも強いレース振りを見せました。
今や大学最強留学生の座を手に入れようとしているダニエルを前半で使い、流れを作って逃げ切りを狙うのか?出雲2区で区間2位の谷口恭悠など日本人選手も充実しています。
出雲からの巻き返しを狙うのが早稲田大学。
高校時代からその名を響かせていた1年生3人を起用して臨んだ出雲駅伝では序盤から
出遅れ、北京オリンピック出場の大エース・竹澤健介も流石に調整が遅れ区間6位に沈みました。
いかにいい位置で竹澤へ繋げるかにチームの浮沈がかかりそうです。
素質と実力のある選手が揃うだけに、出雲の失敗を糧に出来れば、優勝争いに十分加わって来そうです。
昨年は8区モグスの驚異的な走りでシード権を獲得した山梨学院大学。
出雲ではそのモグスを欠きながら、2区で3年生の松本葵が区間賞をマークするなど
総合4位に入り、もはやモグスのワンマンチームではない事を証明しました。
そして、箱根では共に優勝候補と目されながらも、まさかの結果に終わった東海大学と
日本体育大学。
2枚看板の一人だった伊達ら主力の4年生が卒業した東海大学は、
エースの佐藤悠基を中心とした4年生と2年生が主体。大エースの北村が卒業した
日本体育大学は、3年生の森賢大や前回箱根を経験した2年生を中心に若いチームで
巻き返しを図ります。
このほかの関東勢では東洋大学・中央大学といった実力のある伝統校や、前回の箱根で
初のシード権を獲得した帝京大学と中央学院大学、そして予選会を1位通過の明治大学、
16大会ぶりの出場となる東京農業大学がどんな走りを見せるのか注目されます。
そして全日本大学駅伝での醍醐味といえば関東の大学に対抗心を燃やす他地区代表の大学、ランナーたちの頑張りです。 留学生ランナー2人と、3区で早稲田の竹澤らを抑えて区間賞を獲得した中野良平など、 力をつけて来た日本人ランナーが頑張って出雲で3位に食い込んだ第一工業大学。 そのほか、出雲では7位に入るなど今や関西の雄となりつつある立命館大学が上位に食い込んできそうです。
今年も全日本大学駅伝では関東の有力ランナー、強力留学生ランナーを中心に
ダイナミックなレース展開が見られそうですので期待しましょう。