2020.06.14
災害医療…DMATとDPAT
伊藤 佳子
梅雨のシーズンを迎えましたね。これから10月までが出水期です。
ここ数年、毎年のように、
どこかで大雨による土砂災害や浸水被害が起きていて、
尊い命が失われたり、多くのけが人が出ています。
自然災害が起きたとき、いち早く現場に駆けつけ、
必要な医療措置を取るのがDMAT=災害派遣医療チーム。
これに対し、災害が発生したとき 被災地域に入り、
精神科医療、被災者の心のケアに当たる専門的なチームを
DPAT=災害派遣精神医療チーム。
DMATのメンバーとして活動され、DPATの設立にも携わった
「半蔵門のびすこ こどもクリニック」副院長で
児童精神科医の河嶌譲さんに、お話を伺いました。
3人の男の子のパパでもある河嶌先生。とてもやさしいイケメン先生です。
災害に遭い、とても辛い思いをしているた子どもたちは、自分の気持ちをコトバで表現することが難しいそうです。
体の反応だったり行動だったり、頭痛・腹痛・おねしょしやすくなる、赤ちゃん返りする、現実にはないことを言ったり…。
また、辛い体験を遊びで表現することがあるそうで、地震災害だと「地震ごっこ」
「地震が来た、わー逃げろ」とか、東日本大震災だと「津波が来たー」とか
避難所で遊んでいる子どもがいて…まわりの大人はつい注意したくなりますが、
まずは見守ることが大切だとか。
子どもたちはなぜするかというと、辛い体験を遊びで表現して自分の気持ちを整理して、安定させているので、とても大事な遊びの一つでもあるそうです。
こういった子供たちの反応や行動に対して、まわりの大人たちはどうすればよいのか?
河嶌先生は、まずぜひ「見守ってあげてほしい」と話してくれました。
異常な事態に対する正常な反応なので、見守ってあげる、安心感・安全感を与えてあげる、一緒にいる時間を増やしてあげる、一緒に寝てあげるとかでもいいそうです。
今、新型コロナウイルスの影響で、大人も精神的にも経済的にも苦しい状況にある方が少なくないです。
正しい情報を手に入れ、孤立化しない、人とつながることが大切だということです。