2020.04.26
どうなる?プラスチックごみ
伊藤 佳子
SDGsの17の目標のうちの一つが 「海の豊かさを守ろう」
海を漂うプラスチックごみは、環境を汚染し、海の生物の命を奪っています。
2050年には、海にたまったプラスチックごみは、
地球上の魚の量より多くなると予測されています。
このプラスチックを食べる微生物が、世界で初めて日本で発見されました!
見つけ出したのは、京都工芸繊維大学 小田耕平名誉教授。
小田教授は、自然界の有益な微生物探しがご専門で、
20年かけて、海洋プラスチックごみの典型的な例、ペットボトルの原料のPETを食べる
バクテリアを探し出すことに成功されました。
大阪府堺市のペットボトルの集積場から見つけたので
「イデオネラ サカイエンシス」と名付けたそうです。
こちらが、小田教授に提供いただいた「イデオネラ サカイエンシス」の写真。
論文としてサイエンスに発表した後は、世界の研究者などから予想以上の反響があったとか。
今だにほぼ毎日、様々なメディアや企業から連絡が来るそうです。
実用化には10年くらいかかるのでは…とおっしゃっていましたが、
地球上に溜まった大量のマイクロプラスチックも
科学の力で安全に処理できるようになるといいですね。
そして海もですが、日本国内のプラスチックごみ問題も深刻です。
実は今、新型コロナウイルスの影響で、一時的に日本にプラスチックごみは
溜まっていませんが、2017年に中国がプラスチックごみの輸入を禁止してから
国内には100万トン近いプラスチックごみが滞留していました。
大田区京浜島で産業廃棄物処理やリサイクルを手がける東港金属株式会社
福田隆社長にお話を伺いました。
取材させてもらったのは3月後半、いつもの年より少ないとはいえ
年度末なので、企業から出された様々なごみはすごい量!
プラスチックごみは、圧縮されて高さ5メートルぐらいに積まれていました。
福田社長も、大量のプラスチックごみ問題は根本的に解決はしていないと話してくれました。
世界の焼却炉の7割が日本にあるそうです。
日本はプラスチックごみを燃やし、その熱回収をする「サーマルリサイクル」が多い。
でも、このやり方は各国から批判され、リサイクルと認めてもらえていない。
今後日本は「サーマルリサイクル」を認めてもらうのか、
ケミカルリサイクルに切り替えていくのか、国の方針も決まっていないとか…。
国が方向性を示さないと、事業者は設備投資もできません。
今回のコロナでも、各国のトップの判断で状況がこうも変わってくるのかと感じましたが、
日本の未来は大丈夫なのでしょうか…。