2020.11.28
オーガニックコットンに見るSDGs
伊藤 佳子
SDGsの17ある目標のうち12番目が
「つくる責任 つかう責任」
持続可能な消費と生産のパターンを確保する というものです。
オーガニックコットンとは、化学肥料や農薬に頼らずに栽培されたコットン。
殺虫剤や除草剤を使わず有機肥料を使い、
天敵のてんとう虫やクモなどを利用して害虫駆除を行うなど、
手間ヒマをかけた昔ながらの栽培方法で育てたコットンです。
コットン(綿)は、持続可能性のあるサステナブルな素材ですが
世界中の畑のなかでコットンのしめる面積は2~3%しかないのに対し。
農薬は世界全体の10%が使われていると言われています。
日本オーガニックコットン流通機構 理事の河内桂太さん、浅田雅彦さんによりますと
この大量の農薬が、綿を生産している国、インドなどの土地や地下水を汚染し問題となっているそうです。
そこで働く農薬を扱う人々が健康を害したり、働けなくなったことによる労働力不足が、
児童労働や貧困の連鎖の原因にもなっているとか…。
フェアトレードの問題にもつながっていますが、
オーガニックコットンの認証の基準の中には、生産農家で働く人の権利を守る項目があり、
フェアトレードの取引が基本になっています。
11月に港区立エコプラザで開かれた
「オーガニックコットンから学ぶ環境問題~地球にやさしい買い物を考える」という講座。
参加された方は、ご自分で綿を栽培されている方や
環境・ファッションの仕事をされている方など様々でした。
地球や人にやさしいオーガニックコットンの生産量は、
コットン全体のわずか1%にも満たない量です。
日本でなかなか広まらない理由の一つに、価格が言われますが、
今はだいぶ近づいてきて、生地ベースでいうと1.2倍~1.3倍ほどだそうです。
浅田さんによると、コロナ禍で一時アパレルなどの販売も滞っていたそうですが、
今は回復して動いている状況だとか。
コロナの中でも「オーガニックコットン使うんだ」という意識を持ってる人が多く、
そこがゆるがない、これから徐々に広がっていくのでは…と話してくれました。