核抑止は失敗?原爆の日式典で広島市長が「核抑止論」からの脱却を世界の指導者に呼びかけ
8月7日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司さんと番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、核の抑止について意見を交わした。
核抑止によって核戦争を回避しているわけです
広島は6日、78回目の原爆忌を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、平和記念式典が営まれ、被爆者や遺族、岸田首相のほか、核保有国の米英仏を含む過去最多の111か国の駐日大使らが参列。4年ぶりに一般参列者用の自由席も設けられた。原爆投下時刻の午前8時15分、遺族代表らが「平和の鐘」をつき、約5万人の参列者が黙とうをささげた。広島市の松井市長は平和宣言で、5月に広島で開かれた先進G7サミットで各国首脳が広島平和記念資料館を視察し、被爆者と対話したことを挙げ、「過去の悲しみに耐え、憎しみを乗り越えて真の世界平和を祈念する『ヒロシマの心』が深く刻まれた」と強調。核兵器の保有で相手の攻撃を防ぐ「核抑止論」からの脱却を世界の指導者に呼びかけるとともに、「広島を訪れ、平和への思いを発信していただきたい」と訴えた。
「広島に原爆が投下されてから昨日で78年となりました。上念さんはどのようなことをお感じですか?」(寺島アナ)
「広島市長は、核抑止が失敗してるとまで言い切ったらしいんですけど、仮に核抑止が失敗しているとしたら、今頃人類は滅亡してますよ。核抑止が失敗したということは、もう核戦争が起こったということになりますから、核抑止があることによって核戦争の事態を回避しているわけです。相手が核による報復をする、もしくは相手の同盟国が持っている核を使うかもしれない、と思ってるからこそ、今ロシアも自制してるわけです。もしNATOの核抑止がなかったら、今頃ウクライナでは核兵器が使われてたわけでしょ。そういう現実を見ないで、こういうことを言ってしまうのはどうなのかなと思います。」(上念氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。