ふるさと納税が3年連続で過去最高も、変な形に加熱して理念から乖離!?
8月2日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、拡大が続くふるさと納税の問題について意見を交わした。
本来の目的を見失っている「ふるさと納税」。原点に立ち返る必要も。
2022年度のふるさと納税の寄付額は1兆円に迫り、3年続けて過去最高を更新した。総務省が昨日発表したもので、大規模な税収流出が続く大都市も返礼品を拡充し、京都市や名古屋市への寄付は大幅増となった。22年度の寄付額は9654億円で前年度から16%増えた。総務省は「制度の定着や新型コロナウイルス下での電子商取引の広がりが伸びの背景にある」とみる。物価高騰を受け、卵や食用油など生活必需品の返礼品も関心を集めた。
自治体別の寄付受け入れ額トップは宮崎県都城市で195億円だった。牛肉や豚肉、焼酎を中心とした返礼品で人気が高く、2年ぶりに最多となった。北海道紋別市194億、根室市176億と海産物の返礼品をそろえる自治体が続いた。
ふるさと納税寄付者の居住地の自治体にとっては減収となる。政令市や東京23区の多くは税の受益と負担の原則に反するとして、距離を置いていたが、税制の流出が広がって返礼品の拡充で寄付集めに舵を切る大都市が増えているとも言われている。京都市は、前の年度と比べて52%増の95億円で、全自治体で7番目に多かったと言う。料亭の設置、旅行クーポンなど、京都ブランドを生かした返礼品を増やしてきたと言われている。
寺島尚正アナ「かねてから指摘されていたふるさと納税による税金の流出ですが、森永さん、これはどうご覧になりますか?」
森永康平「これ、利用している側は僕の周りにも結構いて、すごく評判はいいんですけど、ただそもそもの当初の話から随分変わってきちゃったなっていう印象があるんですよね。
歴史を見てみると、時にはamazonのギフト券みたいな、もはや全然地元と関係ないようなもので、関心性が高いものを返礼品にして裁判沙汰になった例もありますからね。やっぱり本来の目的って何だったんだっけってところに立ち返っていかないと、何か今は『返礼品合戦』みたいになっちゃってて、利用者側は色々選べてお得でいいよねって人気があるのはわかりますけど、ただ元々の話と乖離しすぎてない?っていうところは、見直していった方がいいかなっていう風に思ったりもしますけどね」
寺島アナ「今は色々と原価は半分までいいかなって言うことがあったりとか、あと自分のところで生産している何割かはそういうものにしましょうねとか、そういうのにはなっては来ていますけども」
森永「そうですね、元々ふるさと納税に関わる経費は、地場産品で基本的に6割とか決まっていたと思いますけど、今ってそれ以外の4割は送料とか、あと仲介制度があるんですね、ポータルサイトみたいなところに払わなきゃいけない。ま、払わなきゃいけないっていうことはないですけど、そういうところに載せて、認知してもらわないといけないので、結局そういう事務経費ってまったく地元の物には関係ない経費なんですよ。税金の使われ方として、ふるさと納税とは銘打っているものの、地元には還元されないものに結構使われちゃったりしているので、そういう意味でも私が言った通り、立ち上げた時の理念と乖離しているよねってところを改めて認識して立ち戻らないと、そこはおかしいことになっちゃうんじゃないの?と思います」
寺島アナ「減ってしまった自治体は、本来だったら使える予算が減っちゃったってことですから、そうすると何かを削らなくてはいけないっていうことになるわけですもんね」
森永「そうですね~。だからやっぱり、格差を抑えるためにやっているとか元々は話としてはありましたけども、今はもう変な形で加熱してますよね」
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。