日本の睡眠問題にポケモンが介入!?─ 経済成長と健康改善の一石二鳥?
2023年7月20日に睡眠をゲームに落とし込んだスマートフォン向けアプリ「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)」が、正式にリリースされた。自分の睡眠を計測・記録することでポケモンの寝顔を調査でき、寝顔図鑑を完成させたり、いねむりポケモンのカビゴンを育てたりすることが出来るゲームである。
21日の17時にはポケモンスリープについてのツイートが35万ツイートを超えるなど大注目となっており、自分の寝言を投稿するTwitterユーザーが登場するなどお祭り騒ぎとなっていた。
ポケモンスリープ は8時間30分以上で100点満点となる、睡眠時間に応じて変化する睡眠スコアというものや、睡眠の質を評価する機能、睡眠時に音声を検出しそれを録音する機能などが搭載されている。
2016年にリリースされたポケモンGOでは全世界で累計10億ダウンロードを突破するなどし、人類を外に連れ出し歩かせることに成功。ポケモンスリープでも睡眠をコントロールすることを目指し、ポケモンのおかげでポケモンファンは更に健康になっていき、人類健康計画を実施しているポケモン。
そんな睡眠を題材にしたゲームが注目されている訳だが、文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」では過去に「睡眠は、私たちに何をもたらすのか」をテーマに柳沢正史さん(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長・株式会社S‘UIMIN代表取締役社長)と松田雄馬さん(株式会社オンギガンツ代表取締役)に睡眠が与える経済への莫大なダメージついて伺っている。(2023年2月20日「睡眠は、私たちに何をもたらすのか」より)
入山『柳沢さんにお伺いしたいんですけど、アメリカのシンクタンクの調査によると、睡眠不足の国である日本の寝不足による経済損失は、金額換算すると15兆円だと言われてるわけですよ。日本のGDPは500兆ぐらいなんで3%という損失ですよね? 』
柳沢『その通りなんですよ。睡眠を皆がきちんと取れば、即座に3%経済成長を約束される、そういう国なんですよ。こんな国他にはなくて、ランドコーポレーションというシンクタンクの調査なんですけど、同時に先進5か国で比べていて他の国は2%程 、悪い方でアメリカの2%でヨーロッパなんか1%台なんですよ。睡眠障害による経済損失が日本は本当にやばい。
それから面白いデータがいろいろあって、国民の平均睡眠時間を客観的に測って、睡眠時間と国民一人当たりのGDPを散布図にしてみると、綺麗に右肩上がりの相関があるんですよ。要するに経済的に豊かな国ほどよく寝てるんですよ。』
入山『もしかしたら日本が今貧しくなってきていると言われているのは、日本人が寝なくなってきてるからじゃないかということですね?』
柳沢『全くその通りで。しかももっと厳しいのは、国民の労働時間1時間当たりの生産性と国民の睡眠時間比べると日本は生産性が低くて睡眠時間も短い。そういう綺麗な相関があるので、寝ないとやばいんですよ。睡眠不足は日本を滅ぼしかけていると私は思っています。』
そんな睡眠について語られている「睡眠は、私たちに何をもたらすのか」はPodcast(前半、後半)やYouTube(前半、後半)を是非お聞きください!
様々なキーワード基に経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」は毎週月曜日 19:00~19:30放送中。
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