村上信五くんと経済クン「成層圏で干物やビールを作る！？成層圏と経済」

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【徳島大学大学院社会産業理工学研究部 准教授 佐原理（さはら・おさむ）さん】
1978年愛知県豊川市生まれ。愛知教育大学教育学部で美術を専攻し、小学校や定時制高校の講師も歴任。名古屋文理大学助教などを経て、2015年から徳島大学大学院社会産業理工学研究部の准教授に着任。映像・デザイン学の研究者として、古いモノクロ写真のカラー化や８ミリフィルムの収集といったプロジェクトに取り組む。ところが、ひょんなことから始まった成層圏の研究は、今や世界が注目！成層圏での「干物作り」「ビール作り」…唯一無二の研究・プロジェクトは、いつの間にやら成層圏の研究各所から世界最先端とも呼ばれている。
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【佐原先生は美術・デザインが専門！そこからなぜ成層圏の第一人者に？】
2009年、佐原先生がアプリの開発などを大学で教えていた頃、マサチューセッツ工科大学の二人が「手作りの気球にカメラをつけて、地球を撮影できるか？」という実験を行った。この実験に興味を持った佐原先生はマサチューセッツ工科大学に電話して、「気球などはどこで買えますか？」と聞いたら「メイドイン埼玉だ」と言われた。それなら、とまずはおもちゃの風船を使って飛ばすなど実験を行った。奥様のスマホを借りて飛ばしてなくしてしまうなど失敗を重ね、4年後の2013年に初めて成層圏からの撮影に成功した。
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【そもそも“成層圏”とは？】
季節によって変わるが、だいたい上空10キロから50キロのことをいう。気温は低いところでマイナス70度ほどまで下がるが、上に上がれば上がるほど気温は高くなる。地上が30度だと、およそ100度の気温差の中で壊れないようにして飛ばさないといけない。
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【干物を飛ばす！？】
テレビの企画で成層圏で干物を作ったことも。紫外線が当たるとうまみ成分が増すという学術結果はすでに出ていた。さらに、干物は「低温で素早く水分を抜く」というのが大事だが、成層圏は真空なので水が昇華して出ていくし、超低温なので細胞を壊さずにうまみがぎゅっと凝縮されて、通常の干物よりうまみが２倍～４倍に増えた。ただ、１回の打ち上げで100万円くらいかかってしまうので、１匹あたり10万円ぐらいで売ればければ黒字にならず、コストがかかりすぎるのでビジネスにはならない。
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【成層圏ビールも！】
地元のブルワリーと協力して、マイナス70度の成層圏にビール酵母を飛ばした。実際その酵母を使ってつくったビールがとてもフルーティーとのこと。
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【ブドウも成層圏で作れる？】
成層圏に持っていくと干しブドウのような乾燥したうまみ成分の詰まったブドウになるのではないか。
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【世界から注目される技術とは？】
打ち上げて落ちてきたものの回収率は100％。外国では気球が隣国や山間部に落ちて回収できないことが多いが、日本は島国だから海に落とせるため、回収率は高くなる。
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【先生が抱えている成層圏プロジェクト】
大きな災害が起きたときに、「助けて！」という地上の声が聴こえなくなってしまうので、そういった叫び声の地上の音を打ち上げたマイクで拾う、というプロジェクトに取り組んでいる。他にも、成層圏にはけっこう微生物がいるとされる。つまり、宇宙空間でも生き残れる生物がいるのではないか？我々の生命の起源は宇宙外から来ているのではないか、というところも研究している。
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【今後の夢は？】
世界中を回るピコ気球を作れると、衛星のかわりになる。それがうまくいくと携帯の電波が届かないような僻地にも飛ばせたり、災害時の情報のインフラを整えたりできるのではないか。
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とても夢のある壮大なお話を聞かせて頂きました！村上さんの「宇宙ぶどう」、いつか挑戦して頂きたいです…！
坂口愛美