パワハラ上司は3つのタイプに分けられる
上司によるパワハラの相談件数は年々増え続けている。7月11日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、『パワハラ上司を科学する』という本の著者で神奈川県立保健福祉大学の准教授、津野香奈美さんにパワハラ上司をタイプ別に分類してもらった。
小島慶子「パワハラを引き起こす上司のタイプは3つあって【脱線型】【専制型】【放任型】。日本は【放任型】が多いそうですね」
津野「日本の調査といっても地方公務員の調査であって民間企業で調査したわけじゃないんですけど、米国などの調査と比べると日本は【放任型】の上司の割合が多いという結果でした」
小島「簡単に説明すると、それぞれどういう違いがあるんですか?」
津野「まず【脱線型】は組織の中のある程度のポジションまでは順調に昇進して何も問題なかったんですけども、ある時から自分の利益とか保身に固執するようになってしまう。自分の存在を脅かす人を攻撃したり、新しい文化とか技術を入れようとする人を攻撃し、望ましいルートから脱線してしまうタイプの上司を【脱線型】と言っています。こういった人は新しい技術を否定しがちなので、部下が何か新しいことをしようとするほどパワハラしてしまう」
小島「【専制型】は?」
津野「専制君主という言葉の通り暴君ですね。ロシアのプーチン大統領が代表例だと思うんですけど、自分のやり方以外を一切認めないタイプです。昔からこのタイプは存在していたといわれていて中国の始皇帝などもこのタイプだと言われています。このタイプはたまに大きな成果を達成してしまうこともあるんですが、多くの場合は部下が疲弊して辞めてしまうので組織にもダメージを与えるリーダーシップであることがわかっています」
小島「3つ目が日本に多い【放任型】」
津野「【放任型】に私は特に着目してるんですけど、何もしないタイプの上司っていますよね。管理職として席には座っているけど何してるのか分からない。そういった人って害がなさそうだと思われているんですが、実はかなり害をもたらしているんです。【放任型】は必要な指示・指導がないので、部下の間で責任のなすり付け合いとか、仕事の押し付け合いが発生しやすい。そうすると部下同士の上下関係でいじめが起きたり、何で私はやってるのにあの人はやらないんだといった非難・攻撃が始まる」
小島「いるだけで何もしないリーダーなので、リーダーの下にいる人たちの力関係によって、いじめやハラスメント、仲間割れなどが起きてしまう。しかも、これも放任しちゃうわけですね」
津野「そうなんです」
津野香奈美さんは、この他にもたくさんパワハラを科学的に分析した結果を話してくれました。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお聴き下さい。津野香奈美さんは大竹メインディッシュというコーナーに出演しています。
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