元徴用工問題 韓国政府が解決を急ぐワケを読み解く「チャイナが落ち目だからでは?」
7月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司さんと番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、元徴用工問題について意見を交わした。
ちゃんと約束を守ってもらわないと困ります
韓国政府が元徴用工問題の解決を急いでいる。3月に発表した財団が肩代わりする方式で、原告15人の7割にあたる11人に判決金を支払った。残る4人にも解決策履行とみなす手続きに着手した。日米韓の安全保障の協力を優先し環境づくりにつなげる狙いがにじむ。岸田文雄首相と韓国のユン大統領は11~12日に開くNATO、北大西洋条約機構の首脳会議にともに出席する。それに合わせて韓国大統領府はきのう、ユン大統領が岸田総理と個別に会談すると発表した。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出計画について、岸田総理から説明を受ける見通しで、元徴用工問題も議題になる可能性がある。過去の韓国の政権では対日政策を国内政治に利用するケースが目立っていた。ユン政権はこうした過去の政権の姿勢と現状では一線を画している。日本とはシャトル外交の復活、輸出管理の厳格化の解除、通貨交換のスワップ協定の再開など、この数ヶ月で懸案を前に進めてきた。その背景には厳しい安全保障環境もある。北朝鮮は核ミサイル開発を一段と強化し、中国やロシアとの連携も深めている。ただ、元徴用工問題の解決策をめぐっては火種が完全に取り除けたわけではない。解決策の受け入れを拒んだ生存者2人と遺族2人に関しては、相当額を裁判所に預ける供託の手続きを7月3日から始めた。裁判所が認めれば原告が日本企業に賠償金を求める権利は消えて、資産の現金化は避けられる。しかし、供託という手続きが有効かどうかは判断が分かれていて、原告の代理人の弁護士は「原告の意思に反する弁裁は民法の規定を逸脱している」として無効だと指摘している。
「これはどうご覧になりますか」(寺島アナ)
「この問題を解決するご褒美ということで、「ホワイト国」に戻してあげたり、日韓通貨スワップについての話し合いにも応じているわけですから、ちゃんと約束を守ってもらわないと困りますよね。そもそもこの判決自体が約束破りなわけだから、さらに約束破りを重ねるのはダメです。何でにわかに韓国が日米に接近しているかというと、チャイナが落ち目になって行きている事が大きいんじゃないでしょうか。歴史を紐解けば、清朝がダメになってきたら、その一部だった韓国は、日本に寄ってくるとか、ロシアに近寄ってみるとか、色々あったわけです。日本としてはロシアに行ってほしくないから韓国を保護国にして、その後伊藤博文が暗殺されて日韓併合ということになってしまって、歴史は繰り返すというか、半島にある国は宿命みたいなものがあります。」(上念氏)
「色んなところから圧力を受けますから。」(寺島アナ)
「常に外国との距離感で、内政も変わり、いろんなもん変わっていくということだと思います。そういう意味では日韓関係は追い風が吹いてるので、取れるだけ取っといたほうがいいですよね。もう日本は2000年、この駆け引きをやってきてるんですよ。ですので押せる時は押した方がいいかなと思います。」(上念氏)
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