夏の国内旅行費4万円で過去最高!しかし「経済回復にはならない」と専門家が言うワケとは?
7月7日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、金曜コメンテーターでクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏と寺島尚正アナウンサーが、夏の旅行費と人手不足について意見を交わした。
人手不足は大きな問題になっています
今夏の国内旅行は各地でにぎわいと、物価高を感じる旅となりそうだ。JTBが6日発表した推計によると、夏の国内旅行客数は2019年並みに回復する一方、1人あたりの平均費用は過去最高の4万円となる。インバウンド需要も回復し、ホテル価格が上昇する。新型コロナウイルス禍で30万人減少した観光産業の人手不足も深刻化している。5月の訪日客は約190万人とコロナ前の7割の水準まで戻った。国内外の旅行客の増加に伴って観光関連サービスの料金も上がっている。ただ、コロナ前の水準に戻る観光客に対して働き手が戻っていない。コロナ禍で30万人減少した観光産業の人手不足が深刻化している。
「会田さんはどうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「コロナ禍でもIT製品を含む“物の購入”は進んできました。コロナ後、“物の購入”は停滞して製造業の動きにも停滞感が見られます。一方、人の動きが増えたのでサービス業が回復しています。ただ、サービス業の需要が回復しても、人手不足でサービスが提供できないという話になると経済成長の回復には繋がりません。人手不足は大きな問題になっています。」(会田氏)
世界旅行ツーリズム協議会は23年の日本の旅行・観光部門の雇用は560万人と予測。コロナ前の19年に比べるとなお30万人少ない。日本政策金融公庫の22年10〜12月の調査によると宿泊・飲食サービス業の56%が人手不足の影響で「売上機会を逸失」と答えた。全国有数の名湯で知られる道後温泉の道後プリンスホテルでは7月の売り上げは19年を8%上回る見通しだ。一方で人手不足から1泊2食付きのプランの販売数を減らして、素泊まりプランに切り替えたり、比較的に予約の少ない日に休業したりといった対応に追われる。
「食事なしの素泊まりなら部屋の掃除ぐらいの人員は割けるということでしょうか。また、予約の少ない日は休もうというのも、それだけ人手不足なんでしょうね。」
(寺島アナ)
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