ビジネスの新常識「GX」が地球を救う⁉
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2023年7月3日と10日の放送では、常連さんに東京ガス株式会社執行役員・総合企画部長の清水精太さん、お客様に株式会社大川印刷・代表取締役社長の大川哲郎さんをお迎えし「GXをいかに推進するか」をテーマにトークを繰り広げました。GXとは、グリーントランスフォーメーションのことで、化石燃料を極力使用せず、クリーンなエネルギーを活用するための変革や、そうした実現に向けた取り組みを意味しますが、これを受けてマスターは…
入山:東京ガスグループでは、GXのどんな取り組みが行われていますか?
清水:GXには二つの価値があって、①脱炭素社会に向けたエネルギー消費を実行すること。②Xはトランスフォーメーションなので、そうした生産活動、消費行動を通じて、どう価値につなげるか、どのように日々のビジネススタイル、消費スタイルを変革して自分にとっても、世の中にとっても価値のあるものにしていくこと。この2つです。
入山:これは、わかりやすいですね。
清水:脱炭素にむけたグリーンの部分は、業界ではヒエラルキーアプローチ(どうやって脱炭素に近づけるか)がありますが、まずは省エネです。東京ガスグループでは、化石燃料の中でも最も環境負荷の低い天然ガスで、エネルギーを作りますが、さらにいかに少ないエネルギーでそれを生み出すか。そして、エネルギーをグリーンにかえること。東京ガスグループは、電気とガス両方を扱うので、電気は再生可能エネルギー、ガスは人工的に天然ガスを合成する方法を研究開発しています。さらに、それでも足りない部分は、オフセットすることで、展開しています。
入山:一方で、価値に変えることはいかがですか?
清水:お客様に環境にまつわるコンサルテーションをした上で、具体的なソリューションを提供しています。例えば、GX×DXみたいなことで、ソフトウェアを使ってお客様のCO2の排出量を見える化したり、環境認証に関する手間暇を解決したりと、高付加価値なビジネスモデルをいくつか提供できるようになってきました。
入山:大川さんは、ここまでのお話は、いかがですか?
大川:被る部分がありますね。私共の、GXの本丸は製造の部分ですが、通常のエネルギーの問題をみていく部分と新たな価値を創造する部分がありまして、新たな価値をつくる部分については、社会課題解決型スタジオ「with GREEN PRINTING」というものをたちあげました。
入山:これはどういうものですか?
大川:動画の収録・配信で使われる電気をカーボンオフセットするスタジオです。そこから、地域のGXを推進するような新しい価値を生み出せないか試したり、中小企業の仲間とどうやってCO2の削減をするか、算出から削減まで広げていこうと、小さいですがサービスや価値を提供する形になっています。
入山:大川さんの周りでも、そういう課題感が、あるということですか?
大川:お客様としては、大川印刷を使えば通常の印刷会社さんよりもCO2排出量を下げることができます。それを期待してお問い合わせをいただくことが増えていますね。
他にも、崎陽軒でおなじみのシウマイ弁当のフタの印刷も手掛けている大川印刷のお話など、注目トピックスはこの日も続々です。この続きはこちらから↓
本日のお客様
清水精太さん
1995年、東京ガスに入社。千葉導管ネットワークセンター、商品開発部、総合企画部、海外事業推進部など幅広く経験され、2020年にソリューション共創部長に就任。2022年より執行役員・総合企画部長。
大川哲郎さん
大学卒業後の3年間、東京の印刷会社を経験。その後、株式会社大川印刷へ入社する一方、横浜青年会議所では、2002年に社会起業家の調査研究、2004年に企業の社会貢献・CSRの調査研究に邁進。それらをきっかけに2005年、本業を通じて社会課題解決を行う「ソーシャルプリンティングカンパニー®」という存在意義(パーパス)を掲げる。趣味は、中学時代から弾き続けるギターで、現在は2ヶ月に一度、横浜の老舗ライブハウスに出演しているプロボーカリストのバンドでギターを演奏。
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浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…