街に潜むマルチ。こんな声かけに要注意!
6月28日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに毎日新聞記者の小鍜冶孝志さんが出演した。小鍛冶さんは昨年『ルポ 脱法マルチ』を発売している。今回は自身の体験を踏まえ、マルチ商法の実態について教えてくれた。
大竹まこと「(マルチ商法の)現場にどう潜入していったんですか?」
小鍛冶孝志「私、東京に赴任してきたのが2019年ごろだったんです。街なかのいたるところで『居酒屋知りませんか?』と声をかけている男性を各地で見かけたんですね。何を目的に声をかけているんだろう、私も声をかけられてみよう、と思って。かけられたらその場で連絡先を交換して、やりとりを重ねていった、というのが端緒になりますね」
大竹「ついていって、現場はどうだったんですか?」
小鍛冶「当初はバーベキューやフットサル、ボードゲームなどに誘われたんですね。本人たちはあだ名で呼び合っていて、関係性もわからない。ただどこかのタイミングで『いまの会社員生活で満足しているか』『年収はどれぐらいほしいのか』みたいな話が始まって。『お世話になっている人がいて、その人の下で経営を学んでいる』という話になる」
大竹「はい」
小鍛冶「そして『その人のところで経営を学ばないか』という話になる、という展開でした。その時点で、別のルートで同じ組織だと思われる元構成員の人たちとやりとりをしていて、同一の組織だとわかって。私は入る前に断念して、元構成員の人から話を聴き、実態について調べました」
大竹「歳はどれぐらいの方がいるんですか?」
小鍛冶「末端の人間は20、30代の若者が多いんです。その上に『師匠』と呼ばれる40、50代の人間が存在しています」
大竹「マルチ商法でいろんな人が騙されて、というのがありますね。けっこうな数、こういうのが林立していて、ハマっていくんですか?」
小鍛冶「国の統計によると年間だいたい1万件ぐらい相談が寄せられていて、うち4割が20代という結果もあります。若者がハマりやすくなっている、という傾向があります」
大竹「1万人ぐらいの人が引っかかっている、ということですか?」
小鍛冶「相談件数なので、実際の数はもっとあると思います」
大竹「売るものはなんなんですか?」
小鍛冶「この組織に限定して言いますと、美容品や化粧品、サプリメントなど、健康系です」
大竹「『これを売らないか』という話になる?」
小鍛冶「『買わないか』ですね。『買わないか』と言われるまでにスパンがあって、それまで組織の理念に染めるためにセミナーなどで長期間かけて指導するんです。人によりますけど、長いと1年ぐらいとか。彼らは自己投資と称していて、毎月15万円分、師匠が経営する小売店で商品を買わされるんです。それを続けて自分も勧誘の人数を増やせば経営者になれる、というふうに教えられて、商品を買っているんですね」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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