車椅子に乗るモデル、葦原海。めげない理由は「やりたいことがいっぱいあるから」
6月21日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにモデルの葦原海(あしはら みゅう)さんが登場した。葦原さんは高校時代に事故で両足を失い、現在は車椅子に乗って活動をしている。先月には初の著書『私はないものを数えない。』を発売した。
大竹まこと「現在はどんな活動をされていますか?」
葦原海「肩書はモデルで、ファッションショーに出演したり、トークショーや講演会などの仕事もしたり、イベントのMCもしたり。あと観光関係のバリアフリーのアドバイザーも」
大竹「観光関係の?」
葦原「たとえばいろんな観光地、宿泊施設、ホテルなど、これからバリアフリーの部屋をつくりたいとなったとき、どう改装すればいいか。当事者の目線で『こういったバリアフリーの取り入れはいいかもしれないけど、ここは必要ないな』とか。できるだけお金をかけずに(笑)、とはいえ最低限のバリアフリーを取り入れてほしいので、そういう話をしています」
大竹「ご自身がホテルや旅館に泊まられたときに感じたことを踏まえて?」
葦原「そうですね。泊まる場所、ホテルによって違うので、それぞれのいい点を選りすぐって、という感じです」
大竹「最初はその伝え方を間違った、とお聞きしました」
葦原「そうです(笑)。当事者目線での見え方をお伝えしたかったのでそれを取り上げたんですけど、『こうしたらいいのに』『こうだと使いづらい』という話をしたとき、『できない、できない』ばかりなら、完全バリアフリーのホテルに行けばいいじゃん、という反応が多くて。確かにできないことばかり言ってしまったら、そう思われるな、と反省したというか。そういうコメントに気づかされました」
大竹「部屋に入ったときの導線とか、バスローブがかかっている高さの問題とか。そういうことをおっしゃったわけね。そうしたらいろんな反応があったと」
葦原「たとえば家具ひとつにしても配置だけ変えれば、新しいものを買う必要がない、そういう点を伝えたかったんです。同じ内容でも伝え方って大事だなと思いました」
葦原さんはモデルとしての活動や、両足を失くした当時の心境なども語ってくれた。事故に遭っても「めげることはなかった」と、明るい口ぶりで伝えた。
大竹「あなたはとても元気だけど(笑)、車椅子生活になったら、世間の目線やそういうもの、多少は気になりましたか?」
葦原「って思われがちなんですけど、気にしていなくて(笑)。車椅子ユーザーどうこうは関係なく、いわゆる『健常者』と言われていたときから、あまり周りの目線は気にしなかったタイプなんですね。そういう性格がよかったのかもしれないです」
水谷加奈「できていたことができなくなる、というギャップがあるじゃないですか。それはどうですか?」
葦原「できなくなったことがそんなに思いつかなくて。もちろんひとりでできなくなったことはあるんですけど、誰かにお願いしたり、助けを求めたりしたら解決することも多いし。できなくなった、という感覚がそんなにないんです」
大竹「だからこの本のタイトルが『私はないものを数えない。』。俺も車椅子で何日か過ごしたことあるけど、目線がずっと下に来ると、なんか居場所がなくなった感覚はあった。そんなことなかったんだ?」
葦原「常にやりたいことが多かったというのもあって。ひとつのことができなくても、やりたいことがいっぱいあるから『じゃあこっち、こっち』みたいに切り替えるだけだった、というのも大きいかもしれません」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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