3・5兆円規模の少子化対策では本当の少子化対策にならない!

3・5兆円規模の少子化対策では本当の少子化対策にならない!

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6月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、について意見を交わした。

数万円規模の給付金で子どもを産み育てる環境はできない!!

年間の事業費3・5兆円規模の少子化対策が閣議決定した。財源について岸田文雄総理は「実質的な追加負担を求めない」と強調。

今後、社会保険料に上乗せする「支援金」を徴収するが、社会保障費の歳出改革を徹底して新たな負担増を帳消しにできる、と説明した。それには医療や介護の給付カットや利用者負担の引き上げが避けられない。

「これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)

「大前提として、“3・5兆円規模の少子化対策”が本当に少子化対策として機能するのか?ってところが重要だと思うんですよ。世論調査でも否定的な人が圧倒多数なわけで、数万円規模のお金では子どもを追加して産み育てる環境ができるかと言うと、多くの人は疑問に思うわけですよ」(田中氏)

「だって、育児にはもっとお金かかりますからね。」(寺島アナ)

「たしかに世帯収入600万円以下の人たちの子どもを持っている割合は落ちるんですね。その人たちのお子さんが、義務教育はさておき高校・大学に入って教育費の負担が大きくなると思うんです。その時に奨学金制度が借金として重しになってるんですよ」

田中さんは、現在の奨学金制度の問題点を例に語った。

「実際、世帯収入500万円くらいで私立大学に2人行かせるとなったら、必ず奨学金ですよね? それはお子さんたちの負債になるので、“卒業=数百万の借金を抱える”という状況になるんです。そういったバカげた制度を改めないといけません。そこにお金を使うのであれば多くの人たちが賛成すると思いますが、申し訳ないですけど数万円程度の給付金では効果がかなり限定されてしまいます」(田中氏)

さらに、コロナ禍による出生率急減との関連について。

「コロナ禍で家計を支えるパートやアルバイトで働きにくい環境だったわけですが、コロナ禍明けで人手不足が進んでますので、働ける環境を作った方がいいのでは? さらに高等教育に関して給付型の奨学金の拡大を進めていく方が重要じゃないかな?」

田中氏は現在の奨学金制度の改革の方向性を提言。

「そのためには現在の有償型の奨学金をまわしている制度改革が必要で、給付型の奨学金を支える数兆円規模の基金を作った方がいいと思います。例えば“教育国債”のようなものを発行して、100年くらいでまわしていった方がいいんじゃないですか? 3・5兆円規模の少子化対策では、本当の少子化対策にはならないと思いますよ」(田中氏)

 

 


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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