「日芽香セレクション」『ツレがうつになりまして。』に中元「うつ病について、理解したいと思っている方にわかりやすい作品」
『中元日芽香の「な」』が、6月19日(月)午前7時に更新され、「日芽香セレクション」のコーナーで中元が触れた映画や本、漫画から生き方や考え方、カウンセリングのヒントになるかもという作品について紹介した。
今回、中元が紹介したのは、東映から2011年10月8日に公開された映画『ツレがうつになりまして。』原作はエッセイコミックで原作者である細川貂々が旦那である「ツレ」のうつとの闘病生活を描いた作品。「バリバリ仕事をこなすサラリーマンの夫、ツレがうつ病と診断される。結婚して5年夫の変化に気がつかなかった妻ハルさんは反省し、病気の原因となった会社を退職するよう夫に迫る」というハートフルドラマだ。この作品を見て勉強になると感じたことを中元は次のように語る。
中元「原作の優しいタッチのイラストが映画でも使われていたり、おうちで飼っているイグアナのイグさんとか、ハルさんのマイペースで献身的なサポートなどなど、シリアスなシーンもありながら全体的にはとても優しい雰囲気の作品です。まずツレさんがうつって診断された時、ハルさんはうつについて、あんまり詳しくわかっていなかったんですね。公開が2011年っていうところも、当時のうつに対する解釈が映画の中で、ちょっと見れたりもします。うつ病について、理解したいなって思っている方にとってわかりやすい作品です。うつ病って診断されたツレさんがだんだん回復していく中での変化に注目して映画を見るのもいいのかなと思います。映画は、うつ病と診断される手前の段階から始まるんですが、映画の序盤の方はごめんとか、申し訳ないとか、すごく謝っていたりします。ツレさんのせいじゃないよねってことも含めて、イグさんがこうなったのも僕のせいだしハルさんの今の現状も僕もせいだしみたいな。いや、それ関係ないじゃんみたいにハルさんは言ってくれるんですけどね。それがだんだんと治療が進む中で前向きな言葉が増えていって不必要な謝罪がぐんと減っていっているなーっていう様子があの映画を見進めていく中で、感じられます。あとは目線とか姿勢が全然違いましたね。前半と後半でこれは、私も経験があるんですけれどしんどい時期ってまっすぐ前が見れないんですよ。ちょっと下を見るのが楽なんですよね。だからこう元気になって見てみるとあれこんなにこうまっすぐ正面を見て歩くの、ちょっと久々かもしれないなーっていうふうに思ったことがあるんですが、ツレさんもそこが変わっていたように思います。そして、姿勢も胸を張って背筋を伸ばすのって元気じゃない時って難しいんですよね。それがだんだんと目線がまっすぐになっていって、背中も丸まっていたところからピーンと自然な姿勢に戻っていく変化っていうのがありました。他にも、元気になっていく中での変化っていうのをいくつか見つけたので、そんな見方もありかなっていうふうに思います」
中元のこの作品に対する感想は…。
中元「最後に作品の感想なんですが、家族がうつ病です。と旦那さんが診断されてどのように接していこうか、ハルさんは自分の両親に相談したりネットで調べたりしているのを見て、人って温かいなーって思いました。頑張らないことにしようとか一緒にゴロゴロしてくれたりとかして、休み方がわからないツレさんの近くにゆっくりゆっくり歩いてくれるハルさんのような存在がいると、一人でいる以上に肩の力がストンと抜けそうだなーって思いました。一人暮らしで休職してますという方のお話を聞くことがあるんですけれど、結局いろいろ考えちゃって全然休まらないと聞くので、それが一緒にゴロゴロしてくれたりとか、ゆっくりゆっくりって言ってくれる人の存在が、お家の中にあったりすると全然いいのかなというか、あとはほのぼのな作品ではあるんですけれど、扱っているテーマがうつなので、時々ヒヤッとする場面が出てきたりとか、2人で喧嘩をしている場面とかも見ていて一瞬心がざわっとはしましたね。それらをね、乗り越えていくところにリアルがあるので必要な場面だと思いますし、日常生活でもありますもんね。気分の浮き沈みとか、うつ病って診断されて退職された方とかは特にいつもいつも元気なだけじゃなくて、突発的な行動に出ようとしたりとか、家族とのささいな喧嘩であーもう自分はいらないんだって思っちゃったりとかっていう描写もあったりしつつ、最後は良かったねって思えるような作品です」
『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」
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Profile
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1996年4月13日生まれ。広島県出身。早稲田大学在学中。 日本推進カウンセラー協会認定、心理カウンセラー&メンタルトレーナー。 2011年から6年間、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして活動したのち、2017年にグループを卒業。 自身の経験から、心理カウンセラーになることを決意。グループ卒業後、認知行動療法やカウンセリング学などを学び、2018年にカウンセリングサロン「モニカと私」を開設し心理カウンセラーとして活動を始め現在に至る。