政府が発表した「こども未来戦略方針」は、はたして少子化対策になるのか?
6月14日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、政府が昨日発表した「児童手当の所得制限の撤廃案」などについて意見を交わした。
森永氏「今、子供が1人いる家庭が、3人まで作ろうかとなるだろうか?」
政府は昨日、「こども未来戦略会議」を官邸で開き、「次元の異なる少子化対策」を具体化する「こども未来戦略方針」を決定した。児童手当に関し、不支給や減額となる所得制限を撤廃する。現行では0歳から「中学卒業まで」の支給対象は、18歳になった後の3月末までの「高校生年代まで」に拡大する。
支給額は第1子・第2子は月1万~1万5千円で、第3子以降は多子加算として月3万円を支給する。高校生年代までの支給延長に伴い、16~18歳の子供がいる世帯の税負担を軽減する扶養控除に関し「関係をどう考えるか整理する」と戦略方針に記した。
寺島尚正アナ「児童手当の所得制限の撤廃ですが、森永さん、これはどうでしょうか?」
森永康平氏「うーん……僕とかはもらう側の立場なんですよ、子供が3人いるんで。僕個人の話とすれば『ありがとうございます』って感じはしますけど、ただこれ、読んでて不思議だなと思うのが、これは少子化対策になるのか?っていう疑問ですよね。あくまでこれは子育て世帯の支援策であって、少子化対策とは別物だとまず思っています。で、さらに扶養控除の見直し?これ実際何をどうするかっていうのは具体的には出てないですけど、場合によってはほとんどの年収の方がむしろ負担増になる可能性が高いわけですよ。そう考えると、これってまず少子化対策としてどうなの?っていう考え方と、結局年収が例えば900万円を超えると明確にマイナスになるんですね、子供手当をもらったとしても。そのあたりをどう考えてこの制度が出てきたのかな?って思うと、不思議ですよね」
寺島「これ単純に考えてですね、もちろん今回も岸田総理は『少子化は、若い世代の所得の問題だ』とかね、一方では『国民に実質的負担を求めない』とか、表面的にはいいこと言ってるんですけども、3人目、これが月3万円になる。『今1人子供がいるけど、2人3人作ろうか』という人たちを狙っているっていうことなんですか?」
森永「いやでも、子供が3人いる身からするとですね、僕みたいに今子供がいる人たちは単純にもらえる額が増えますってだけだからいいですけど、今子供が1人いますっていう人が、この対応を見て『じゃあ3人目まで作ろうか?』って思うか?ってところですよね。だって3人まで出来た時に、3万円以上のコストがかかる月が絶対あると思うんで。その中で賄えるとは到底思えないですね」
寺島「騙されませんよね、そういう人たちはね」
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