【お天気気象転結】トイレが困った…被災者の声
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「佳子・純子のお天気気象転結」。気象予報士の伊藤佳子記者・鈴木純子アナウンサーが、毎日にちょっと役立つお天気情報をお届けしています! この記事では全文をご紹介。
▼6月9日配信号 担当
伊藤佳子
1週間前の記録的な大雨……線状降水帯は6県で11回も発生し、都心でも6月1ヵ月分を超える雨が降りました。
埼玉県越谷市の浸水場所で話を聞くと……
「50〜60センチ水がたまって、水が引くまで家から出られない。一番困ったのはトイレ。水が使えないこと」
「農園やってるんだけど、ジャガイモが水浸し。もっと早めに掘ればよかった。トマト、きゅうり、茄子はちょうど実がなり始めたところだったのに…こんな早い時期に水にやられたのは初めて」
「新方川が氾濫危険水位を超えたので、夜は警報が鳴ってすごくこわかった。膝上まで水がきた」
▲畑で水に浸かったため、掘り起こし、乾かしているジャガイモ
トイレが困ったという話は、複数の人から聞きました。
新方川周辺の浸水は「内水氾濫」。つまり川の堤防を超えて浸水したのではなく、短時間の大雨で下水道や排水路が水を処理できなくなったり、川にポンプで水が捨てられなくなって水があふれだしたものです。
水は蛇口から出ても、流すと逆流して戻ってきてしまう。排水ができないからトイレもシャワーも含め水を使えない状態になります。
▲新方川にポンプで水を排水
高台に車を持って行ったり避難した人もいましたが、家にいた人は水が引くまで、丸1日以上外にも行けずトイレも使えず大変だったということです。
▲せんげん台駅前で浸水のため一時休業となったコンビニや書店
この春3月~5月の日本の気温は、統計がある中で最も高く、海水温も3位タイの高温でした。暑さも今回の大雨災害も早いな……と感じた人も多いのでは?
台風3号が発生し、関東甲信地方も8日に梅雨入りの発表がありました。
大雨が心配な季節は続きます。
最新の予報はこちら(気象庁HPより)
https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/
備えておきましょう。
気象予報士 防災士 気象庁担当記者 伊藤佳子