実質賃金3.0%減だが、「賃上げされて良かったね」と実感する日が年内にも!?

実質賃金3.0%減だが、「賃上げされて良かったね」と実感する日が年内にも!?

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6月7日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、4月の実質賃金が3.0%減となったニュースについて意見を交わした。

森永「今後賃金がアップしても、今年だけで終わらせないことが大事」

厚生労働省が昨日公表した4月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額名目賃金に、物価の変動を反映させた実質賃金は前の年の同じ月と比べて3.0%減となった。マイナスとなったのは13カ月連続。物価上昇に賃金の伸びが追い付かず、賃金の目減りが続いている。基本給と残業代などを合わせた名目賃金は、労働者1人あたり平均で1.0%増の28万5176円。就業形態別に見ると正社員ら一般労働者が1.1%増の36万9468円、パートタイム労働者が1.9%増の10万3140円だった。一方、実質賃金の算出に用いる4月の消費者物価指数-持ち家の帰属家賃を除く総合で見ると、4.1%上昇している。食品の他、携帯電話機、ルームエアコンなどの電化製品も上がるなど、インフレ圧力は根強い。

寺島尚正アナ「一部では賃上げの動きが広がっているということではあるんですが、物価高の動きはまだ強いようですね」

森永康平「そうですねえ。算出に使う消費者物価指数に関しても、政府の激変緩和措置で抑えられていますから、補助金が無ければ実際はもっと高いインフレになっていますし、これが9月までということで、10月以降どうなるかまだ発表されていないのでわからないですけど、仮に今の措置が9月で終わるとなると、そこから一気に負担がさらに高まると。ただでさえ6月から、場所によっては4割近く電気料金も上がるわけですから、そう考えると今年の春闘自体は、非常に強い数字だったのは間違いないですけども、やっぱり今の足元の物価上昇というものをカバーする程は伸びることはできなかったなっていう感じですよね」

寺島「この物価高を受けて、今年の春闘の賃上げ率3.66%増と、30年ぶりの高水準です。こうした賃上げのうち、定期昇給分などを除く2%程度が名目賃金に反映されると見られています。しかし厚労省によると、実際に賃上げする時期は企業によってバラツキがあって、春闘の影響がすべて反映されるまでには、4月から数カ月かかる見通しだということなんです。物価高に耐えうる賃上げは、まだまだ十分とは言えないということなんですけれども」

森永「この後の物価高がどうなっていくのかという見通しで、僕は前からずっと言ってる通り、足元はまったくそんな雰囲気は無いですけど、このままの勢いでずっと物価が上がると僕は思ってなくて、鈍化していくだろうなとは思っていますと。そのシナリオはそんなに変わってないんですけど、そうなってくると春闘の賃上げが全体的に反映するタイミングが多分同じぐらいになるかなと。そうなると、『賃上げされて良かったね』っていうのを実感する瞬間っていうのがおそらく年内にはあるのかな、とは思いますけど、やっぱり前から言ってるように大事なのは、じゃあ果たして来年の春も同じような昇給が行われるのかというのがポイントで、問題なのは今年だけの特殊要因、今年はすごく上がったよね、でも結局来年からはいつも通り戻っちゃったよねっていうのをやってしまうと、せっかく脱却できつつあるデフレマインドが元通り戻ってしまう。なので今回限りで終わらせないということが非常に大事だと思いますけどね」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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