治安が良すぎてもダメ!? 変わりゆく繁華街について考える
女装パフォーマーのブルボンヌと、作家・社会学者の鈴木涼美を迎えた5月26日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
特集コーナーでは「『変わりゆく繁華街』をクリエイティブ」というテーマでお届けした。
今年4月、東急歌舞伎町タワーがオープンして大きな話題となっている新宿。100年に1度ともいわれる大規模再開発が進む渋谷。去年、都内3つ目となるミッドタウンがオープンし、2027年には日本一の高さを誇るオフィスビルが竣工予定の東京駅前八重洲エリアなど、高層ビルや商業施設、駅のリニューアルといった再開発が各地で相次いでいる。
建設ラッシュの果てに待つ高機能な街は、果たして私たちにとって居心地が良い街なのか。いろいろな側面から街の再開発について考えていく。
西川あやの「鈴木さんは渋谷とかもよく行ってらっしゃいました?」
鈴木涼美「渋谷は女子高生の頃は毎日遊んでました。いまの渋谷は家族で行きやすくなったりとかはあると思う。原宿も昔の竹下通りはたけのこ族とか、ホコ天でバンドがいっぱいライブやってたりとかして親に内緒で行く場所だったのが、どんどん新しいビルができたりしていて、親子連れで手を繋いで訪れる客層だけ見ると『ディズニーかな?』って思うくらい平和な感じになっていて。それはすごく子供にとってはいいと思うんだけど、若い時って親の目につかない所とか、親があんまり良い顔しない所に行って、親の知らない顔を作っていくって結構大事な青春の作業じゃないですか」
西川「新たなコミュニティを作るみたいなね?」
鈴木「そう。治安良いほうがいいのはそうなんだけど、それでも人間ってあんまりポジティブな側面だけじゃないから、いわゆる『良い子良い子』してる側面じゃないところも吸収してくれる懐の深い街は減ってるかなぁとは思う」
西川「治安が良くてファミリー連れが多いっていうのは良いことだけれども、今後はどうなっていってほしいですか?」
鈴木「ちょっと人目につかないような場所って必要だとは思うんだけど、でも人目につかない場所は売春や犯罪が行われたりする可能性もあるから、意図的に作り出すのはすごく難しいと思いますね」
ブルボンヌ「でもたしかに、いまの涼美ちゃんの話を聞いてて、清・濁みたいなところも人間のリアルな生き様だとすると、それこそ繁華街・歓楽街って、ただただクリーンなオフィス街とは違う側面はあってほしい。綺麗なことだけじゃないみたいなのも人間のガス抜きというか。ネットだってさぁ、ちょっと間違えると袋叩きに遭うような時代だから、リアルな現場こそ正直に思ってることを話せる数人の守られた空間とかはあってもいいかもな、とは思うよね」
鈴木「(建物が)作り変わること自体は日本はもうしょうがないと思うんですよ。地震もあるし。パリとかバルセロナみたいに何百年前の建物がそのまま保存されるのはすごく憧れるけど、やっぱり耐震性とか考えると難しいし…」
ブルボンヌ「タイミング的にもね、ちょうど戦後復興のときにたくさん建てたものが、いまちょうど全体的に老朽化でもう無理になってるから、もう変えなきゃしょうがないっていう理屈もわかるから、ノスタルジーだけではしょうがないんだろうな、っていうのはあるよね」
西川「残すものと変えていくものの議論みたいなのもやってもいいのかなと思いますよね」
さらに、新宿のインバウンド観光スポットや、渋谷センター街のギャルなどについても話した。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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