「朝日新聞の社説を書くのは地獄でした」論説委員だった元記者が明かす、社説が書けるようになる秘策とは?

「朝日新聞の社説を書くのは地獄でした」論説委員だった元記者が明かす、社説が書けるようになる秘策とは?

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アフロヘアーがトレードマークの元・朝日新聞記者、稲垣えみ子さんが5月26日の『くにまる食堂』にご来店。社員時代に執筆していた「社説」にとても苦労したエピソードを伺った。

邦丸「先月、文化放送の「ビューティフル・メロディーズ プレミアムコンサート」というのがあって、初めて朝日新聞本社の浜離宮朝日ホールに行ったんですけど、「ここで稲垣さんは編集委員や論説委員として朝日新聞の社説を書いてたんだなぁ」と思うと、今までずいぶんと気やすく接していたなって。(笑)」

稲垣「いやいや、とんでもございません。皆さんそうおっしゃるんですが、編集委員とか論説委員は確かに肩書きは立派なんですけど実は2種類ありまして。例えば論説委員は、非常に優秀で知識と経験のある「A論説委員」と、あと「Z論説委員」みたいな、職場がもて余して処遇に困っているような人が送り込まれる場合の2種類あるんです。」

邦丸「そうなの?」

稲垣「私は典型的な「Z」の方で「こいつ、もうどこへも動かしようがない」みたいな。どこの会社にもいるじゃないですか、ちょっと年を食ってきて「こいつ、文句が多くてここに置いておきたくないけど、引き取ってくれるとこもない」みたいな人が。編集委員や論説委員は、結構そういう人が送り込まれやすい職場でもあるんですよ。」

邦丸「でも社説を書くわけでしょ?」

稲垣「社説を書かなきゃいけないから、もう地獄でした。」

邦丸(笑)

稲垣「正直地獄です。だって社説って「社」の説ですけど、私は「社」じゃないって思ったんです。「社」の説だから、自分勝手な意見じゃダメじゃないですか。本当に毎回、泣きそうでしたね。」

邦丸「へぇぇ~。」

稲垣「知識も見識も「Z」なのに、でもそれじゃダメなんです。だから必死に、いろんな同僚とかに聞いたりとか、専門家とかに聞いたりして、「社」の説っぽい!みたいになるまで頑張って。」

邦丸「ある意味、付け焼き刃だった?」

稲垣「そう言っちゃうと朝日新聞に申し訳ないんですが。でも会議を通らないと掲載されないんで、一応それをクリアしたものが世に出ます。」

邦丸「社説と言ったら「社」を代表して意見表明をするとこじゃないですか。朝日の場合はどちらかというと反権力で「どうなんだ!現政権は」みたいな感じだけど、それを頭かかえながら書いてたんだ。」

稲垣「でも「どうなんだ!現政権は」とかは私には書けないから、途中からどうしようかと思って。私に「社」の説はないし「Z」だから「社」を代表してもいないから、人の意見を紹介するコーナーにしようと思ったんです。社外の人で、すごいいいこと言ってるけど、なかなか世の中に出てこない説を、ご紹介する役目になろうと。その人に話を聞いて、絶対みんなに知ってもらった方がいい話を社説に仕立てて書くっていう風にしてから、ちょっとだけ書けるようになってきました。」

「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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