医療保険上乗せ1兆円 藤井氏「事実上、増税と一緒ですからね」

医療保険上乗せ1兆円 藤井氏「事実上、増税と一緒ですからね」

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5月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、医療保険上乗せ1兆円というニュースについて意見を交わした。

藤井氏「消費税でいうと0.3〜0.4%くらいの増税になります」

政府の少子化対策の大枠が分かった。財源として医療保険料などへの上乗せで1兆円規模を集める調整に入った。
対策事業費の3分の1に相当し、国民1人あたりの負担は月数百円になる。安定財源が確保できるまでの財源として2024年度に「つなぎ国債」を発行する見通しだという。

事業規模は国費に地方や事業主の負担を合わせた事業費ベースで年約3兆円。医療保険料は会社員や公務員の場合、事業主と個人の折半で負担する。
国民健康保険の場合は会社負担はないという。国民1人あたりの負担は月500円弱になるといわれていて、歳出削減でさらに圧縮されると可能性もある。

寺島アナ「政府の少子化対策の大枠ですが、藤井さん、これをお聞きになっていかがでしょうか?」

藤井氏「これは言語道断ですね。岸田さんは『増税はしない方針だ』ということを言ってるんですけど、事実上、増税と一緒ですからね。財務省・税務署がとるんじゃなくて、厚労省管轄のお金だから、税は社会保険料とは別だということではあるんですけど、一緒ですから」

寺島アナ「いやぁ、そうですよ。とられるものは同じですもんね?」

藤井氏「国民負担率が1兆円分上がるっていうことですから。
で、これは負担率月500円弱って言ってますけど、これはちょっと違うと思うんですよね。1兆円を1億2000数百万円で割ったら大体8000円くらいですから。月で言ったら1000円弱なんですよね。企業が半分負担するからっていうことで各社500円弱って言ってるのかもしれないですけど、でもこれは“国民1人あたり”ですから。割り算しないといけないですから。
これ、ちょっと負担少なく見せてますよ、報道が。企業負担だって、その企業の分は結局、個人が負担することにもなりますからね。とにかくこれは1兆円っていったら、消費税でいうと0.3〜0.4%くらいの増税になりますから、言語道断ですよね」

寺島アナ「これ、どうなんですか? 政府の側としては『増税』と言うとアレルギー反応が起きるけど、こういう風に『医療保険・社会保険料に上乗せ』と言うと比較的そのアレルギーが低いみたいな感じに見てるんですか?」

藤井氏「そうなんですよ。だから、政府は上げやすいんですよね。その構図があって、消費税も10%までは上がりましたけど、社会保険料はものすごい上がってるんですよ、すごい勢いで。いま30%まできてますから。
これは言ってみれば所得税が一律30%とられてるのと一緒ですから、これは相当なものなんですよ。しかも累進性がないんですよね。所得が低かろうが高かろうが、とりあえず3割はむしり取ると。めちゃくちゃアコギなんですよ、これ」

寺島アナ「で、これのさらによろしくない点が、現役世代からとりますよね。ってことは、これから結婚しようとか子供を作ろうとする人からとるのは『逆だろ!』っていうところなんですよね。『負担を増やしてどうするの?』っていう世代からとろうとしているのが何か理解できないですよね」

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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