どうして行う? イメージと違う? デモって実際どんなもの!?
5月24日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーではデモ(デモンストレーション)について語り合った。先日G7広島サミットが開催され、世界経済、核問題、地球規模の課題などについて意見交換が進んだ。一方で「軍備拡張のために被爆地・広島を政治利用するな」という主張のもと、サミットの実施に反対するデモも行われ、全国からおよそ180人にのぼる参加者が集った。
西川あやの「永井さんはデモに参加された話を『クリエイティ部』でもしてくださいます。デモの説明みたいなもの、改めて伺いましょうか」
永井玲衣「デモは政治的、社会的な自身の要求を表現するためのものですね。人々と集まって、声を上げる。皆さん『行進している』『大声を出している』とか想像すると思うんでけど、本当にいろんな形態があって。平和的なデモ、暴力的なデモ、ヘイトデモみたいなものもあるわけですね。ある特定の人種に『出ていけ』みたいにすることもあれば、とても平和的に反戦を訴えることも」
西川「デモ活動を行う際の流れ、みたいなものはあるんですか? 許可は?」
永井「そうですね。基本的に許可はとりにいきます。大切なのは、法律違反をしているわけではまったくないということ。国に保証された権利ですので。『悪いことをしている』というわけではないし。ただ通行人の邪魔になってはいけないので、しっかり人員を配備して交通整理をこちら側で行うことがほとんどです。それで告知をして、集まってもらって」
石戸諭「教科書レベルや『映像の20世紀』みたいなやつ、『1960年代の学生は声を上げてデモに向かっていた!』『70年代の学生は……』というのがあるけど、あれはむしろ極端な例というか」
西川「激しい、白黒の映像で……」
石戸「若者と警察官がぶつかり合う、国会前でワチャクチャやっている、火炎瓶ぶん投げる、というのは、やや極端な事例ですね。いまの源流ということでいうと、たぶんベトナム反戦運動でしょうね。そのとき出てきたのが『ベ平連』と呼ばれるような小田実さん、鶴見俊輔といった方々で、いろんな文化人も関わっていて。ほかにもデモグループが出てきて、彼らのいちばんのキャッチコピーが『普通の市民』だった」
永井「うん」
石戸「当時トップだった小田実さんというのがおもしろくて。『何でも見てやろう』って貧乏学生が世界各地を旅行して歩いた記録、といった本がバカ売れした人なんですね。どちらかというと石原慎太郎よりも右なんじゃないかと思われた人で、そういう人がデモをやる、と言ったときにみんなビックリしたらしいんですよ」
西川「確かに、何か……」
石戸「……って猪瀬直樹さんが言っていました(笑)。猪瀬さんの石原慎太郎の評伝にそういう記述があって、僕もビックリしたの。小田実って当時は過激な人だと思われていたっぽい、と。そうなんだ、と思って読んでいたけど、そういう人を囲っていたのが普通の市民と。これこそまさに『市民権を得た』というか」
永井「すごく好きなキング牧師の言葉があって、彼は『非暴力直接行動』という言葉を使うんです。その狙いというのが、話し合いを絶えず拒んできた地域社会に、どうしても争点と対決せざるをえないような危機感と緊張をつくりだそうとするものだ、というんです。つまり話し合いさせてくれ、と訴えることでもあるんです」
西川「はい」
永井「力を見せつける、力でなんとかしたい、ということではなくて、私たちの声を聴いてください、話し合いましょう。もしくはもっと説明をしてください、私たちのニーズはこれですから、と。そういうメッセージが非常に強いと思います」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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