防衛費増額の財源確保のための特別法案が通過。新たな増税に森永氏苦笑。
5月24日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター、経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、昨日参議院を通過した特別法案について意見を交わした。
森永氏「防衛という、やって当たり前なことを口実に増税って、重症だな」
防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案は、昨日の衆院本会議で与党の賛成多数により可決され、衆議院を通過した。今日の参議院本会議で法案の趣旨説明と質疑が行われる。政府・与党は6月21日の会期末までに確実に成立させる考えだ。
政府は、防衛費増額の財源を税外収入や決算剰余金で捻出し、残りを法人、所得、たばこの3つの税の増税などで賄うことを計画している。法案には、国有財産の売却などによる税外収入を集めた「防衛力強化資金」の創設を盛り込み、令和5年度予算に計上した4兆5919億円の税外収入を複数年度にわたって活用する措置を規定した。
寺島尚正アナ「この動きは森永さん、いかがですか?」
森永康平「結局増税って話じゃないですか。消費税はみんなが鮮明にアクションを起こしますから避けられているわけですけど、ただ結局法人所得やたばこなどの税金を上げるんですよね。で、防衛ってじゃあ財源云々っていうところと、そんなにリンクして考えなきゃいけないのかっていうのも個人的には謎なところで、仮に国が攻め込まれましたってなった時に、『いやあ~財政赤字なんでね、ちょっとミサイル撃たれて死んじゃう人がいるかも知れないですけど、しょうがないっスね!』って、なるわけないだろっ!って話ですよね。なので、結局防衛という、やって当たり前なことを口実に、こうやって増税を決め込むんだなっていうところに、やっぱりちょっと『重症だな』って思いますよね」
寺島アナ「そうですね。二言目には『お金ください』っていうかね」
森永「挙句の果てには『増税だけで足りないから、国有財産を売却します』って。『何してんの?』っていう感じしかしないですよね」
寺島アナ「だからここでやっぱり大元を考えなきゃいけなくて、経済成長していくためにはどうしたらいいかってところですよね、これも」
森永「結局は経済成長していけば、税収って税率×対象となるものの金額の掛け算になるわけじゃないですか。変な話経済が成長していって、日本の場合ってGDPの半分以上は消費わけですから、経済が成長する=消費が増えるってことじゃないですか。っていうことは消費税率が10%であっても、消費額が増えれば勝手に税収って増えちゃうんですよね。だから経済を成長させましょうと。その結果税収が増えましたねっていうパターンって、経路としてはひとつ存在しているんですよ。もちろんもうひとつの経路としては、税率を引き上げて税収を増やしましょうって考え方もあるんですけど。ただこれまでの30年間の我々の学習としては、変なタイミングで税率を引き上げることによって、結局掛け算の掛けられる側になる消費が落ち込んで、結果的には税率が上がったんだけど、掛け算の掛ける方がへっこんだせいで、税収が変わりませんでしたみたいなことって起きてきてるわけですよ。たばこ税も見りゃそうだし、基幹3税の合計税収を見たって、30年前とたいして変わってないんですよ。なぜそこを学ばないの?っていう。これは別に机上の空論を言ってるんじゃなくて、社会実験を我々は国をあげてやっちゃったので、その結果とんでもない犠牲を払いながらそういう実証データを得てるのに、何で未だにこっち方面に走り続けるのかな?っていう気がします」
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