【水谷加奈の劇場型恋愛体質】どっちですか?
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文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。アナウンス部長・水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―5月12日(金)配信分―
既に発車のベルが鳴り終わっている電車。
その最後車両のドアを押さえるように手をついて、片足は車両に片足はホームに置いて立っている男性がいます。
80歳くらいでしょうか。ちょっと背中が丸い小柄なおじいさん。
「おい!早く来いって!」
大声で叫んでいます。
見ると、奥様なのでしょう。杖をついたおばあさんがひょこひょこ歩いてきます。眉間にシワを寄せながら手招きするおじいさん。おばあさんは一歩一歩慎重です。ゆっくりゆっくり転ばないように。おじいさんはイライラしている様子。そばにいる車掌さんは何も言わずに見ているしかないようです。仕方ない、待つかという表情。
ここで、
「発車しますから次をご利用ください」
と声をかけたら逆ギレされそうな雰囲気もありました。
結局2人が無事に乗車して、30秒くらい遅れて発車したのですが……。どうでしょう。
【30秒くらい待ってあげましょうよ】
なのか、
【いや、3分したら次の電車も来るのだからそっちに乗りましょうよ】
なのか。どっちですか?私は後者です。たった30秒でも迷惑をかけたのに、申し訳ないとか感謝するというような様子は2人に感じられませんでした。もちろんお年寄りを大切にするべきですが【傲慢】になってはいけないと思うのです。
この先自分がどんな老人になるか、こうやって日常の光景から勉強するようにしています。
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