利上げの効果 アメリカとヨーロッパで表れ始める スタグフレーションに懸念
5月9日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、アメリカとヨーロッパでの利上げの効果について意見を交わした。
注目すべきは都市部と地方の格差!
ECB=ヨーロッパ中央銀行の理事会メンバーであるオランダ中央銀行の総裁は、「ECBの利上げの効果が出始めているものの、インフレ抑制に向けてさらなる利上げが必要になる」という見解をしめした。
ECB=ヨーロッパ中央銀行は、5月4日の理事会で政策金利0.25%引き上げを決定。
「アメリカに続いて、ヨーロッパでも利上げの効果が出始めているということですが、これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「“利上げの効果”をどう考えるかですよね。あんまり利上げの効果が出過ぎると、景気後退につながることもありますし。さらにヨーロッパもアメリカもそうですが金融機関への重しになってきます。ご存じのようにアメリカの場合はいくつかの中央銀行が破綻して、それによって金融不安的な状況が生まれました。それにヨーロッパの金融システムを懸念するような見方もありますから、欧米共にお金の量が安全資産に流れ込んでいるところも見ていかないといけないと思います」(田中氏)
アメリカの中央銀行にあたるFRBは今月の会合で、0.25%の利上げを決める一方で、利上げを一旦停止する可能性を示唆した。
そんななか、景気停滞とインフレが同時に起こる“スタグフレーション”がじわじわと広がりつつあると言われている。
「このスタグフレーション=景気停滞とインフレが同時に起こる現象、田中さんはどうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「このスタグフレーションっていうのは、経済全体を見た話ですよね? いま注目しなければならないのは、アメリカの都市部と地方の格差ですよ。地方銀行の破綻というのは、地方の企業に金融機関がお金を貸している状況が難しくなっていって、地方経済に落ち込みにつながります。一方で都市部の方は、コロナ禍明けで消費も強くなっています。それが全体的な物価と経済停滞の共存につながるかどうかは、それだけ地方経済を中心にアメリカの今後を見ないといけないと思います」(田中氏)
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