【西武】嶋重宣打撃コーチインタビュー 『走魂』は「打席にも繋がる部分がある」
4月27日放送のライオンズエクスプレスでは、埼玉西武ライオンズの嶋重宣打撃コーチにインタビューした模様を放送した。主力の源田壮亮選手、山川穂高選手を欠きながらもリーグトップのチーム得点数75、チーム打率もリーグ2位の.248を記録しているライオンズ打線(4月27日現在)。その好調の裏側を嶋コーチが語る。
――ここまでの打線をどう見ているか?
嶋「昨シーズン打率が良くなかった(チーム打率.229でリーグ最下位)ところから秋のキャンプがスタートして、各選手が『打席で何がしたいのか』を訴えていく姿勢が欲しいと常に伝えてきた。打席での粘りや追い込まれてからの対応の積み重ねが、これまで点だったものを線にしてくれていると思う」
――土曜日のオリックス戦(4月22日、オリックス-西武5回戦、先発山本由伸投手から11安打)がまさしく結果として表れているか?
嶋「山本投手だけではなくパ・リーグには好投手が多い。なかなか打ち崩すのは難しい中で、どうやってチームとして戦っていくかを意識している。その中でも山本投手に対して良い結果が出せたのは大きい。昨シーズンからそこまで苦手意識は持っていないようだったので、良い流れで今年も入っていけたのかもしれない」
――キャンプからオープン戦にかけてバーチャル投手を使ったトレーニングが行われているが、その効果は現れている?
嶋「バーチャル投手のトレーニングはまだ出来上がった訳ではない。投手の距離感や(変化球の)曲がり具合、臨場感など改善するところはたくさんある。試行錯誤しながら行う中で、見たい球種をスムーズに確認したり、数多くの球種を交えて実践的な打席を経験したりできている。(投手への)イメージを作ることができているので、プラスになっているのは間違いない」
――シーズン前から1番バッターを誰にするかで悩まれていたかと思う。愛斗選手の1番固定についてどうか?
嶋「今のところはしっかりとはまってくれている。好不調は必ずあるので適材適所に変更していくが、今は愛斗が持ち味を思う存分発揮してチームを引っ張ってくれている。とても頼もしい」
――1番バッター候補が多くいる中で愛斗選手を起用した決め手は何か?
嶋「状態の良さと思い切りの良さ。1番は何とか出塁して欲しい打順。状態が良い選手に任せたいところ」
――愛斗選手の1番起用は誰からの提案か?
嶋「監督やヘッドコーチと話している中で自然と決まった。最初は愛斗に楽な所で打たせたいという思いがあったが、状態がとても良いので1番もありだという話になった。(野球は)点取りゲームなので、1番が出塁しないと始まらない。クリーンアップは出塁するのではなく、ランナーを返す打順。打順としてその流れを生み出せているのが好調の要因だと思う」
――外崎選手が非常に良い状態(チーム最多の5本塁打、チーム最多タイの11打点)であるが、ここまでの活躍をどのように見ているか?
嶋「昨シーズンの反省を活かしてタイミングを上手く取れている。(外崎は)秋のキャンプで打撃練習だけに取り組んだ。みんなが守備練習している時に、高山(久)コーチと2人で外崎を見ていた。リズムと体の使い方、ヒッチのタイミングを修正して、体全体のバランスを整えた。相手投手にタイミングを合わせたら打てるところを目指した。秋は一番外崎が(バットを)振ったんじゃないかな。その経験からくる心の自信もこの結果を生んでいるかもしれない」
――今年40歳を迎えるが4番に座る中村剛也選手に対してどうか?
嶋「凄いの一言。選手としても一緒にプレーしたが、全く年齢を感じさせない。練習の時から試合を想定した打撃をしているし、試合では一振りで仕留めている。それに技量もある。東京ドームでのバッティング(4月18日、西武-ソフトバンク3回戦、4回にレフトへ第2号ソロホームラン)はまさにそう。インコースを上手くさばいている。誰しもができるバッティングではない。ホームランバッターの一つ上を行っているように見える」
――東京ドームでの試合後、中村剛也選手は「野球が楽しい」と発言されていたが、そのように見えるか?
嶋「見ていてそのように感じる。彼が打席に入るとこちらまでお客さんになってしまうくらい。三振が増えてしまうのは致し方ないので、その分大きい当たりを増やしてチームに貢献してほしい」
――マキノン選手の勝負強さも見逃せない(4月27日現在、得点圏打率.400) 。彼の存在は大きいか?
嶋「とても研究熱心。自分に対してどのように投手は攻めてくるかを考えて、『その手には乗らないぞ!』というように良い意味で(投手を)見下している。見せ球や誘い球についてベンチで話していることもあるので、非常に頭のいい選手という印象を受けた」
――ファンの方に見てほしい打線のポイントは?
嶋「打てる時も打てない時もやらなくてはいけないことがある。それが一人ひとりの粘りや打席での闘争心だと思う。今年のスローガンである『走魂』は打席にも繋がる部分がある。打席での荒々しさや粘り、チームで戦っている一体感を見てほしい。苦しい時にもがいて逆転できるような打線を目指しているので、これからも応援してほしい」
※インタビュアー:文化放送・長谷川太アナウンサー
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