村上信五くんと経済クン「池上彰さんに聞く！スパイと経済」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【池上彰さんのご著書「世界史を変えたスパイたち」】
世界の歴史は表向きのことしか語られないが、実はスパイが暗躍していたことによって世界の歴史が形作られた、ということが色々ある。それを紹介しようと思って書いた本。特に第二次世界大戦後の世界では、それぞれの国の政治体制をひっくり返そうと、革命やクーデターを起こすために暗躍していた。実はスパイオタクの池上彰さん。中学生の時に「007シリーズ」を読んでスパイの世界に夢中になった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【スパイクイズ】
⓵アメリカはどの国よりも早くロシア軍の軍事侵攻準備を世界に広めた。バイデン大統領は2022年2月に「ロシアがまもなくウクライナに軍事侵攻しようとしている」とキッパリ断言。もし予測が外れたら失脚するかもしれないのに、なぜバイデン大統領は自信を持って言い切ったのか？

（答え）宇宙空間にある偵察衛星で地上の様子を注意深く観察していた。すると、大規模な野戦病院を発見。さらに輸血を運搬する車もやってきた。それによって軍事侵攻しようとしていると分かった。また、“いつ”侵攻するかは情報が必要だったので、プーチン大統領のかなり近くにアメリカのスパイがいたと考えられる。

⓶ロシアがウクライナに軍事侵攻したことに対して、日本政府は、制裁として2022年4月に日本に駐在するロシアの外交官8名の追放を求めた。この8名はどういう人か？

（答え）ロシアの外交官として日本に駐在していたロシアのスパイたち。強制追放だと報復として日本大使館の外交官も追放される恐れがあるため、日本政府は8人の自主的な退去を求めた。

⓷ロシアのウクライナ侵攻で、スペースＸの最高責任者イーロン・マスクはウクライナの救世主となった。何をしたか？

（答え）ロシア軍がウクライナを侵攻した時に、携帯電話の中継基地をいくつも破壊してしまい通信が難しい状態に。そんな時、ウクライナの31歳の副首相がTwitterで助けを求めると、イーロン・マスクがすぐに反応し、いち早く通信が可能になる“スターリンク”を大量に寄付した。これによりウクライナ軍はどこにいても情報の入手・発信が可能に。市民たちが戦車が通った情報などを発信し、その情報をもとにウクライナ軍が待ち構えたりした。

⓸ハーバード大学の研究・調査による「世界30ヵ国のサイバー能力ランキング」はたして日本は何位？

（答え）日本は16位。1位はアメリカ、2位中国、3位ロシア。北朝鮮は14位。日本は相当出遅れている。現在、自衛隊の中にもサイバー部隊を作り、何とか改善しようとしている。情報を磨きあげて役に立つ「インテリジェンス」にしていかないといけない。常にアンテナを張った「耳の長いウサギ」になる必要がある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本も読ませて頂きましたが、スパイを軸に世界の様々な出来事を振り返るとまた見方が変わってくるなと感じました。改めて世界史も復習できて、とても面白かったです。今回、池上さんには「村上経済研究所」にもお付き合いいただき、新年度ということで、新入生・新社会人のみなさんから寄せられた質問にもお答え頂きました！池上さんも昔は叱られていた時代があったとのこと。そして、今も毎日11紙の新聞に目を通しているとのこと…。興味深いお話、たくさんありがとうございました！
坂口愛美