今の日本社会で起きている“弱者争い”とは?
何かあるとすぐにネット上で“炎上”が起こるのはなぜなのか?4月25日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、社会学者の伊藤昌亮さんが現在の日本社会の構造を語った。
伊藤「コロナにおける弱者、飲食店なんかがそうでしたけど、とても飲食店は辛かった。けれども飲食店に対して補助金が出た瞬間に『なんでアイツらだけ救われるんだ!』っていう形でバッシングが来るんですよね。つまり誰が弱者なのかっていうことが新自由主義以降、問題になっていて、誰を助けるべきなのかっていうことが議論されていく中で恣意的に誰かを助けるってことが気に食わない人たちがたくさんいるわけですね。例えば『女性が弱者である』『高齢者が弱者である』これは我々がずっと培ってきた社会的な意識だと思うんです」
大竹「そうですね」
伊藤「そのように女性や高齢者だけを助けるのが気に食わないっていう男性や若年層がいて、それが逆に女性への差別的な行動をしたり、そういうことが起きてくる。結局、新自由主義化がどんどん進んでいく中で、単純にみんなが競争するだけじゃなくて、競争したら、みんな滅んじゃうので誰かを助けていかなくちゃいけない。その時の選び方みたいなものが凄く大事で、ある業界団体、ある企業、ある公社には公的資金を投入するけれど、そこにこぼれ落ちた人たちが、変な言い方ですけど“弱者争い”するようになっちゃって…」
大竹「“弱者争い”が大きなところに文句を言わずに“弱者”と“ほんのちょっと弱者”と“弱者同士”が叩き合うみたいな関係性が見えてきましたね」
小島慶子「向く方向が間違ってますよね」
伊藤「強者を攻撃するんじゃなくて、強者が助けている弱者に対して『なんでお前らが助けられるんだ?』っていうところで怒るわけです」
この他にも番組では、伊藤昌亮さんが“炎上”が起こる仕組みについてたっぷり話してくれています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお聴き下さい。伊藤さんは大竹メインディッシュというコーナーに出演しています。
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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