「父ちゃーん!」「おしーん!」世界が泣いた「おしん」別れの名シーン…実は伊東四朗は別撮りだった
1983年からNHKで放送した連続テレビ小説「おしん」は平均視聴率52.6%!最高視聴率62.9%を記録!そんな、おしんの少女時代を演じた俳優の小林綾子さんが、くにまる食堂に初来店。超人気ドラマの裏側を語った。
邦丸「平均視聴率52.6%って、テレビをつけてる方の 2人に1人は「おしん」を見てたんですね。」
小林「当時は そういう時代だったんですよね。今じゃもう、こんな数字は考えられないですけど。半分以上と思うと今でも信じられないですね。」
邦丸「中東のイスラム圏でも、ものすごい高視聴率なんでしょ?」
小林「そのようですね、イランとかでは98%だとか。だから銀行や国の機関は放送している時間は休みになっちゃうって聞きました。それぐらい国全体で楽しんで見てくださっていたようですね。」
邦丸「日本でも、中東でも、世界中で同じような気持ちになっちゃうんですね。」
小林「原作の橋田壽賀子先生が「おしん」で描きたかったテーマはたくさんあると思います。もちろんその根底には反戦が強くあったと思うんですが、やっぱり人との接し方っていうんですかね。家族の思いやりとか、兄弟・お母さん・お父さんを大切にするとか、人との接し方や人の想いというのが事細かに暖かく描かれていて、その辺が日本だけではなく万国共通だったんじゃないかなと思いますね。」
邦丸「おしん役って、ものすごいオーディションだったんでしょ?それで実は、はじめに決まった方の都合が悪くなって小林綾子さんが選ばれたって聞いたんですが本当なんですか?」
小林「本当のことはプロデューサーさんとかに聞かないと分からないんですが。でも聞いた話によると、最終的に私はどうやら2番手だったんですね。それで1番手の方に決まるのかな、と思ったら、その方が当時結構売れてる子役さんで、夜に放送していた「銀河テレビ小説」に決まったのか、他のお仕事の都合で…ってことで、2番手だった私にお話が回ってきたっていうようなお話をちらっと聞いたことがあります。」
邦丸「おしんの父を演じた伊東四朗さんは、文化放送の「親父・熱愛(オヤジ・パッション)」でたまにギャグで「おし~ん!」ってやらされてますね。(笑)その別れのシーンは世界中で有名になりました。おしんがいかだに乗って川を下っていく。親子の別れなんだけど、お父ちゃんなんて絶対来ないだろうと思ったら、河原の上の土手のところを「おし~ん!」って言いながら…。あれはもう朝からドバッと号泣した方多いと思います。そのシーンには裏話があるそうですね。」
小林「実はあのシーンは、おしんのドラマの中で、私が一番最初に撮影した場面なんですよ。」
邦丸「いきなり別れのシーン?」
小林「山形県の1月中旬の寒い時のロケーションから始まったんですが、中でもあの川下りのシーンが一番最初だったんですね。それで「母ちゃん」の泉ピン子さんは、いらっしゃったんですけれど、「父ちゃん」の伊東四朗さんは、あのシーンを撮ってる時、実はいらっしゃらなかったんです。なんかお仕事の都合で来られなかったんです。」
邦丸「えー!大事なクライマックスですよね。」
小林「だから、私の「えっ、父ちゃん」って顔のシーンは、「綾子、土手のあの辺見とけ、あの辺が父ちゃんだ」って言われて、土手に向かって「父ちゃーん」って叫んでたんです。後日、伊東四朗さんに伺いましたら、「いやあ、あの日は私行けなくてごめんなさいね」っておっしゃって、撮影は、スタッフの人が長いゴム長靴みたいなのを履いて川に入って「はい!おしん、この辺です」ってやってらっしゃったそうです。」
日本中でおしんブームが巻き起こり、小林さんには様々な贈り物が届く一方、憎まれ役を演じた伊東四朗さんはとんでもない物を投げられることに…詳しくはradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。
「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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