ロシアの昔といまの違い。ウクライナ問題が起き、国内の治安は?
4月5日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにウクライナ研究の第一人者で神戸学院大学経済学部教授、岡部芳彦さんが登場した。岡部さんは先月発売の新刊『Yahoo! ニュースが認めた細かすぎる公式コメントを さらに細かく深掘りしたロシア・ウクライナ戦争解説』も話題となっている。
大竹まこと「ロシアには長くいらっしゃったんですか?」
岡部芳彦「そうですね、エリツィン時代に。最初に行ったのはソ連崩壊直後、1992年の頭で。97年には短い期間、留学していました。私、阪神大震災で自宅が全壊して。小さい家に仮住まいしていたので、『家から出たい』と思っていたんですね」
大竹「はい」
岡部「大学の掲示板を見たら『イタリア留学』と『ロシア留学』というのがあったんです。これで家から出られる、と思ったら隣に女の子2人組がいて『イタリアはすごく人気』『ロシアは危ないから誰も行かないらしい』と言われて、ロシアを選んだんですね(笑)」
砂山圭大郎「確実に行けるほうを(笑)」
岡部「家から出るのが第一なので! ロシア語はほとんどできませんでした。ロシアはパスポートを外務省に登録しなきゃいけなくて。その期間、1週間ぐらいパスポートがなくて、藁半紙みたいな『パスポート登録中』という紙を渡されていました。大学に行こうとすると、警察官に『パスポートを見せろ』と。ないからそれを見せると、ほとんど見ずに『これは偽物だ』と。僕、ビックリするじゃないですか」
大竹「はい」
岡部「モスクワの道端でした。そのころ警察官の給与未払いが4ヶ月続いていまして、彼らの心も荒んでいるんですよ」
大竹「なるほど」
岡部「ビックリしていたら3人組の1人が『ビール飲みてえな』って。それがなぜかビール売り場の前だった。おごったら解放されるのかな、と思って3人におごったら、『行け』って(解放された)。その週に3回やられました(笑)」
大竹「ほかには?」
岡部「治安はすごく悪くて。夜は遊びに出るんですけど、夜、クラブに日本のカラオケ感覚で11時とかに入ったら『始発まで帰るな』と指示を受ける。強盗に遭うから」
大竹「その混乱の時代を経て、プーチンの時代になるわけですね。街はどうなるんですか?」
岡部「もうマフィアや強盗対策をバンバン(していった)。彼はもともと治安機関の出身ですからね。都会は日本と同じぐらいの治安になりました。いまでも『エリツィンよりプーチンのほうがいい』という人には、そういう理由があるんじゃないかなと思います」
大竹「暮らしが安定してきたと。いい時代というのは何年ぐらい? いまも続いているんですか? それともウクライナのことが起こって変わった?」
岡部「いまのところ国内の治安はあまり変わらない状態です。一言で表すとロシアというのは、『政治にさえ関わらなければ、けっこういい国』。遊ぶところもいっぱいあるし。そういう感覚じゃないかなと思います」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。