ピアニスト・清塚信也が生涯かけて弾きたい曲とは?
4月3日の「おとなりさん」(文化放送)は、ピアニストの清塚信也さんが出演し、ピアノを始めたきっかけや生涯かけて弾きたい曲などについて語っていただいた。
平子祐希「そもそもピアノ始めたのはいつですか?」
清塚信也「5歳という風にされてますけど、あまり記憶がなくて。母はすごくクラシックが好きで、2つ上に姉がいるんですけど、姉にバイオリンをやらせて、その後にくっついていった感じで私にもやらせて。ものすごく厳しかったですよ」
平子「僕も母親が“男の子だけど、ピアノが弾ける大人になったら素敵だから、あんた習いなさい”って言われて習ったんですよ。でも、2,3ヵ月でやめちゃった。今か考えれば、続ければ良かったなと思うんですけど、やめるきっかけはなかったんですか?」
清塚「私は選択肢を与えられなかったので。“これで生きていくんだ”っていう宿命を母親に背負わされて。“漢字も計算も雑念だと思え”って言って勉強もさせてもらえなかった。子供ながらに音楽で食べていけないと人生積んじゃうみたいな思いがあった。やめようかなというよりも、空気や食事のように、当たり前のようにやるみたいなところがありました」
平子「空気や食事くらい、目の前に食事があったと」
文化放送・坂口愛美アナ「スポーツ選手になりたいとか、そういう感情はなかったんですか?」
清塚「めちゃくちゃありましたよ。野球が大好きで、そのころ所沢に住んでいたので西武ライオンズファンで。今はそれが爆発して、ライオンズ愛をこじらせつつあります」
坂口「先日も始球式をされてましたよね」
清塚「ライオンズの応援歌も作らせてもらって」
平子「幼少時代、野球をやらせてもらえなかったけど、大人になってピアノを追求してライオンズの音楽を作るまでになるっていうね」
清塚「けっこう夢のある話だと自分でも自負してます。つらいことはやっておくべきというか、ただつらいだけじゃなくて、それが絶対報われるわけじゃないけど、夢を追いかけるというのは、2日や3日で簡単に手に入れられることではないというのは教訓として出せてるのかなと思うんですけどね」
平子「ちなみに、人生のテーマになった曲ってお持ちですか?」
清塚「ショパンの“舟歌”っていう明るい曲があるんです。ショパンは39歳で死んじゃうんですけど、亡くなる直前に作った最後の大作です。この時、身も心もボロボロなんです。なのに、幸せ(なメロディー)じゃないですか。ショパンは死期を悟りどういう心境だったのかな?みたいな。人間の究極的な思いがこの曲に入っていて、クラシックの魅力でもあるんですけど、曲を辿っていくと人の境地みたいなものが知れるかもしれない鍵というか、自分に向き合いたい、人生に向き合いたい時に響いて欲しいなと思って、生涯かけて弾きたいなという曲なんです」
平子「作曲家のバックボーンだったり、人生観だったり、つぶさに調べていくとその曲の聴き方も変わってきますもんね」
「おとなりさん」は平日月曜~金曜の朝8~11時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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