電力自由化の裏で、大手電力会社のカルテルが発覚!大竹「自由化してもカルテルがあると全然形骸化しちゃう」

電力自由化の裏で、大手電力会社のカルテルが発覚!大竹「自由化してもカルテルがあると全然形骸化しちゃう」

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3月31日の大竹まことゴールデンラジオでは、電力販売めぐる電力会社のカルテルについて取り上げた。昨今、電力会社で立て続けに問題が起きている。

事業者向けの電力供給をめぐり、大手電力会社が互いに顧客獲得を制限するカルテルを結んだとして、公正取引委員会は30日、中国電力中部電力九州電力などに対し、総額1010億円の課徴金納付命令を出したと発表した。公正取引委員会の課徴金納付命令としては過去最高額になる。なお、関西電力は違反を最初に公取委に自主申告したため、独禁法の課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づいて行政処分は免れている。

カルテルとは、企業の独占形態の一つ。同種の生産にしたがう企業家が、企業の独立性を保ちながら連合するもの。自由競争をさけ、市場を独占して価格を維持し、利益の増進をはかること。独占禁止法違反に当たり、今回で言えば、関西電力が各電力会社にこのカルテルを持ちかけている。

さらに、もう一つ問題となっているのは、エリアの送配電網を独占的に担っている関西電力送配電が託送システムで管理している顧客情報を親会社である関電社員が閲覧していたという事件。12月27日付けの関電の発表文には「当社の従業員等がアクセスしている事実を確認した」とある。1月13日には、今度は東北電力の送配電子会社である東北電力ネットワークの顧客情報が同様に東北電に漏れていたことが発覚しており、さらに同18日、九州電力と九州電力送配電でも同じ問題が明らかになった。

なお、それぞれの電力会社の対応としては、関西電力の森望社長は、30日夕方、大阪市内で記者会見を開き、違反行為について謝罪した。会見で森社長は、カルテルを結んだ経緯について、電力各社との競争の激化によって電力の販売価格が下がってきたことを受けて、2018年に開いた社内の会議で、関西エリア以外での営業活動を縮小する方針を決めたことを明らかにしている。中部電は「事実認定と法解釈に見解の相違がある」として、取り消し訴訟を起こすと発表。「司法の公正な判断を求めていく」と訴えた。中国電力は30日、滝本夏彦社長と清水希茂会長が辞任すると発表した。九州電力は会見を開いていない。

今回の問題について青木氏は次のように問題点を語った。

青木理「公取委の課徴金納付命令としては過去最高総額1000億円を超える課徴金を納付する命令を出したってことなんですけれど、ごく簡単に言えば要するに電力、福島大臣原発の事故を教訓として、いわゆる地域独占というような、総括原価方式なんて言葉が問題になりましたけれども、電力会社は経費に利益を乗せて、電気料金を逆に請求できる。そんな企業ってのは基本的に自由主義社会の中でないわけで、それじゃあまずいってことで自由化をしたんだけれども、実際自由化が進んで、再生可能エネルギーをはじめとする新電力も次々参入してきた。それぞれの大手電力各社もそれぞれの地域の中で営業活動をしてきた(と思われていた)んだけれども、実態としては、今回、関西電力・中部電力・中国電力・九州電力がそれぞれカルテルを結んで、お互いの既得権益を犯さないようにしようとしていた。ということを公取委が認定したということで、自由化あるいは、福島第一原発の教訓というものがある意味裏で骨抜きにされてましたっていうことで、重要な問題だと思います」

大竹まこと「一時期、電力自由化になった時にみんな新電力に入っていくみたいなのが、カルテルがあると全然形骸化しちゃって、そっちに移行しても何の得もないっていうか、電力会社がもう全部仕切っちゃうというか」

青木「大手電力会社が値段はある程度で、これ以上下げるのはやめましょうねというカルテルを結べば、当然のこととして体力の弱い新電力はそこになかなか参入しにくくなるし、それから、ご記憶の方もいらっしゃると思うし、今日各紙も書いてるんですけれども、実を言うと、電力各社はつい先日、送配電部門の子会社の顧客情報を盗み見ていた。要するに発電部門と送配電部門を分離しましょうと。分離して送配電部門はもっと公共的な存在として、再生エネルギーとか新電力の電力を取る。送配電がないと、いくら新しい電力会社ができても届けられないので、その送配電部門は別会社にして、その送配電部門を使って新電力も電気を皆さんで家に届けましょう。それで競争しましょう。というふうにしてたんだけれども、実を言うと、その電力大手がかつて一緒の会社だったっていう多分甘えもあると思うんですけれども、送配電部門の子会社の顧客情報を不正に閲覧して、取られた顧客を取り戻そうとしてたっていうことで、これも大問題になったばかり。つまり電力会社って要するに311の教訓をどれくらいきちんと噛み締めているのか、どれくらいちゃんと生きてるのかっていうあたりが、今回また改めて問われるということになってる」

室井佑月「忘れるのを待ってるだけにしか思えないし、絶対に電気って使うじゃんみんな。やっぱりそれは今わかったことじゃなくて、みんなが絶対に使うもんだからちゃんと管理して、しかも、安い価格でとかっていうそういうふうなことは考えてないんだよね。どっちかっていうと絶対使うものだからって言って、殿様商売なんでしょ」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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