村上信五くんと経済クン 新入社員が取締役⁉サイボウズの新たな経営体制
毎週土曜日朝9時~放送している「村上信五くんと経済クン」。
4月24日の放送は、グループウェアシステム開発のサイボウズ株式会社から、
代表取締役社長の青野さんと、取締役の岡田さんに出演して頂きました。
実は取締役の岡田さんは2020年の新卒採用!
株式会社において、経営に関する重要事項を決定する立場にある「取締役」。
サイボウズはこの人数上限を撤廃しただけでなく、
性別や国籍、社歴や年齢も問わない完全立候補制にしたんです。
その結果、先月3月28日の株主総会で、青野社長を含む、
立候補した17人の社員全員が取締役に承認されました。
17人という多さもさることながら、女性取締役は0から5人に、
そしてさらに2020年4月入社の新入社員が1人と、
海外在住者が2人、取締役に加わることとなりました。
なぜサイボウズは新しい経営体制に踏み切ったのか?
そして今、実際、順調な船出となっているのか?
教えて頂きました。
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【サイボウズとはどんな会社?】
サイボウズ株式会社は、1997年に愛媛県松山市で創業。
2006年には東証一部に上場。
900万人を超えるユーザーにwebサービスを提供し、
「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2020-2021」
クラウド基盤サービス部門で2年連続1位を獲得。
「チームワークあふれる社会を創る」という理念のもと、
情報共有を活性化する「グループウェア」の開発、販売、運用と
チームワークを高めるためのメソッド事業を展開。
サイボウズ自身がチームワークあふれるために
“働き方宣言制度”の導入や副業解禁など、
社員の自立を促す人事制度を取り入れている。
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≪代表取締役社長・青野慶久さんに聞く≫
【取締役の仕事内容は?】
サイボウズでは、書類上の手続きをする事務的な役回り。制度自体は法律で定義されていて、監視監督したり助言をしたりするお目付け役として会社に置かなければいけない。
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【どうして取締役員を社内公募?】
サイボウズは情報共有のサービスを自分たちで作って活用している。そのため、取締役員だろうが現場一社員だろうが、同じ情報に同時にアクセスできるようになった。そうすると、取締役がいらないんじゃないかと。しかし法律上では置かなければいけないので、名乗りたい人が名乗れば良いと思い、公募することにした。
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【社内の反応は?】
名前も表に出るし法律上の責任が出てくるので、あまり手が挙がらないと思っていたが、思ったより多くの人が手を挙げてくれた。そしてやりたいと言ってくれた17人全員が取締役になることに。
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【社外の反応は?】
あまり反響は良くなかった。社長の言うことを聞く人を取締役に並べたのではないかなど、色々言われた。しかし、株主は賛成してくれた。不正を本当に防ごうと思ったら、徹底的に情報が公開されていないといけない。それをやってきたのを株主たちは見てきたので、理解してくれた。
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≪2020年新卒採用の岡田陸さんも取締役に!≫
【どうして取締役に立候補した?】
もともとこのプロジェクトがすごく面白いと感じていて、自分もせっかく挑戦できる環境にいるんだからやってみよう!と立候補した。取締役になったことで気持ちの変化があり、より背筋を伸ばして仕事をするようになった。サイボウズ社内で、若手だから、ベテランだから、という意識があまりないので、年上の人にも遠慮することはあまりない。
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【お給料は?】
取締役になっても全く上がらず変わらない。取締役会議は月に1回開かれる。
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【名刺への表記は?】
してもしなくても良い。岡田さんの場合、オンラインで入社しているのでまだ名刺は持っていない。
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【今後、個人的な展望は?】
基本的に取締役になってもやる仕事は変わらないので、日々の業務を大切にしたい。また、この立候補は自分が会社のことを考えていくぞという自分自身への宣言だと思うので、会社の理想などをどんどん考えていきたい。
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【青野社長は今後どういう展開を見越している?】
岡田さんの話を聞いて、意識改革につながっていると感じたので、継続していきたい。「やりたい人がやる」という基本原則にのっとってやっていく。そして今後も、色々なことにチャレンジしていきたい。
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ざっくばらんな青野社長のお話が、とても楽しかったです!
そして、いつか岡田さんと、「取締役」と書かれた名刺を交換したいなと思いました。
色々なチャレンジを続ける会社、サイボウズにこれからも注目したいです!
坂口愛美
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この記事の番組情報
村上信五くんと経済クン
土 9:00~10:00
「経済初心者」の村上信五が、ゲストの方に教えを請いながら 「お金」に強くなってゆく番組です。 「お金持ち」しか持っていない情報を イチ早く皆さんに提供できるよ…