気づかれにくい「ロービジョン」。「お困りですか?」より答えやすい聞き方がある?

気づかれにくい「ロービジョン」。「お困りですか?」より答えやすい聞き方がある?

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3月29日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、新体制3日目は哲学研究者の永井玲衣、ノンフィクションライターの石戸諭、西川あやのの3人でお届け。特集コーナーのテーマは「ロービジョン」だった。

西川あやの「視界にモヤがかかったような状態、見える範囲が狭い……。まったく見えないわけではないけど日常生活に不自由な視覚障害があるロービジョン。現在日本では140万人ほどの人がロービジョン者と言われています。しかし外見からはわかりづらく、会社に報告すると職を失うかもしれない、と声を上げられない人も少なくないそうなんです」

永井玲衣「うん」

西川「きょうは自身もロービジョンである、文化放送の白石仁司プロデューサーにお話を聞きながら、私たちにできることを考えてまいります。白石さんは1991年、私と永井さんが生まれた年の入社で、大先輩なんです。私もすごくお世話になっています! ロービジョンであることを会社に伝えたのは最近なんですか?」

白石仁司「自分でロービジョンに入ったと思ったのが去年、ちょうど1年ぐらい前なんです。ただ、もともとすごく目は悪かったので、かなり前から会社には、目の病気であることは明かしていました。去年から日常生活、勤務にも支障が出てくるようになったので、そのタイミングで会社にも伝えました」

西川「ロービジョンについて伺いたいんですが、昔は『弱視』と呼ばれていた人たちのことなんですか?」

白石「まったくイコールではないと思うんですね。いろいろと定義があるので僕の口からハッキリとはお伝えしづらいんですが……。弱視という言葉があまり使われなくなって、それも含めてロービジョンという言い方がされているようです」

白石さんは自身の症状や、ロービジョンに伴うエピソードも詳しく語った。階段は端が黄色くマークされ、手すりがあることも手伝って「意外とわかりやすい」という。その一方、飲食店でQRコードを読み込む注文がしづらいなど、日常で苦労は多い。人から気づかれにくいことも悩みの要因であるようだ。

西川「周りが気づけないというのが怖いですね。周りの人ができることってあるんですか?」

白石「難しいと思うので、こちらから言っていくしかない。きょう(3月29日)特番もやるんですけど、そういう人がいるとわかってもらえれば。困っていそうな人を見て『もしかしてそうなんじゃないか』とよぎってもらえると、少しずつ変わるのかなって」

永井「人それぞれなんだ、というのが大事だと思っていて。こちら側も少し知識をつけたとき、こういう人はこうなんだ、みたいに気をつけて、変にマニュアル化してしまうとニーズとズレてしまうんだな、と」

白石「まさにそれで。『わかるよ』『俺もそうだ』となるんじゃなくて、『わかりたい』と思っていただくことがいちばんです。これは目に限らずですが」

永井「『お困りですか?』という声かけが、お話をしやすいですか?」

白石「人それぞれだと思いますけど……。よく障害者の方が言われるのが、人間、『お困りですか?』と聞かれると『大丈夫です』と答えてしまう。だからもっと具体的に、外れてもいいので『道どっちですか?』と。それなら『道じゃなくてランチするところを探しているんです』と言える。より具体的に聞いてもらえると答えやすい、というのは、取材する中でいろんな方が言っています」

石戸諭「それはいいヒントですね!」

白石さんがプロデューサーを務める特番「知っていますか?ロービジョン~0と1の間 Vol.2」は3月29日、午後7時から放送。そちらもぜひチェックしてほしい。

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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