高橋優がアートディレクターに聞く!現代アートが意外な場所で…
3月28日(火)の「おとなりさん」(文化放送)のゲストコーナー、「10時のおとなりさん」にアートディレクター・キュレーターのサトマキさんが登場!勤務先の介護施設で高齢者にアートを提供しているサトマキさん。その活動について高橋優さんは、どんな風に感じたのだろうか?
高橋優「今現在サトマキさんは、どんなお仕事をされているんですか?
サトマキ「私の今の勤務先は、全国に370以上もの拠点がある業界大手の介護事業社です。そこで高齢者の入居施設にアートを施す事業を展開しています」
高橋「老人ホームの中に、何かしらのアートを……」
サトマキ「そうですね。具体的には現代アートで、モネやゴッホなどの印象派などはご高齢の方も見慣れているとは思うんですけど、現代アートを見慣れているご高齢の方はほとんど居ないと思うので、その見慣れない絵画の中でも一流の物を展示することで、刺激を与えたりとか。あとフラワーデザイナーのデザインした斬新なお花を展示したり、アロマセラピストに調合してもらった認知症予防に効く香りがあるそうなんですが、ずっと一緒だと鼻が慣れて刺激に感じなくなってしまうので、季節に合わせてブレンドしたオイルを調合して貰って、それを共用部に香らせていたりとか」
坂口愛美アナ「なるほど!」
サトマキ「それから昨日のゲストの清宮陵一さんにプロデュースしていただいた、高齢者に心地の良い、気付きのある音楽というものも提供しています」
高橋「そういうジャンルがあるということすら、恥ずかしながら僕は知りませんでした」
サトマキ「アートといっても美術だけではなくて、五感を刺激する美的な刺激というものを私は総合的に『アート』と呼んでいて、香りも聴覚もすべてアートだと思っていますので」
高橋・坂口「ほおお~っ!!」
サトマキ「その他にもアートイベントもやっていて、現代美術家さんの考えたアートをみんなで作ったりとか、ニューヨークの近代美術館MoMAで開発された『ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ』という、観るだけではなくて対話をしながら鑑賞を深めるという手法があるんですけど、そういうのも高齢者と一緒にやっています」
高橋「あえてフォーカスをご高齢の方々に合わせているっていうのには、何か動機があったんですか?」
サトマキ「前職で、森ビルに勤めていたんですけど、その時に『六本木アートナイト』というアートのお祭りをやっていました。これは、美術館はやっぱり美術に興味のある方が来ますが、街を歩いている、別に美術に興味が無い人に、街の中でアートに出会わせるという、アートの敷居を低くしてより広く一般の方にアートを楽しんでもらうお祭りです。ご高齢の方というのは、日常的にアートに触れるのが皆無なんですね。特に老人ホームに入居していると、美術館にも行けないし、ギャラリーにも行けないし。ということで、今、3人に1人が高齢者になろうとしている日本で、国民の3分の1がアートに触れる機会が無いというのは、国にとって大きな損失だと思っているんです。やっぱりアートに触れると心が豊かになるし、気付きもありますよね。そういう気付きを、高齢者にも与えたいなって思っていて、今この施策をやっています」
放送では、サトマキさんが「六本木アートナイト」で体験したお話や意義、気軽にアートに触れられる場所についての指南など、様々なお話を伺った。気になる方はぜひ、radikoでお聴きください!
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