日本における難民受け入れについて考える
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた3月24日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
「きょうのクリエイティ部」では「移民と難民ってどう違うの?」というテーマでお届けした。
難民の受け入れについて、その認定率が1%未満と、ごく僅かであることから「難民鎖国」と呼ばれ、たびたび国際社会から批判されている日本。最近では、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナから逃れてきた人々を「避難民」「準難民」と呼び、難民として扱わない措置に国内外から疑問の声が上がっている。
出入国在留管理局によると、現在、日本に在留する外国人は240万人を超えていて、難民以外にも様々なルーツを持つ人々が日本で生活している。外国人の受け入れについて注目される今、そもそも「移民」「難民」「避難民」とはどういった定義なのか。
西川あやの「日本は難民認定が厳しいっていうのは前から言われていることですよね」
ブルボンヌ「そうだよね。それこそ何100万人も受け入れているチェコみたいな国もあれば、ドイツも2020年に100万人以上を受け入れているのに、日本はその時で47人だから、もう本当に世界的に見てもめちゃくちゃ狭き門になっている国なんだろうね」
「移民」には法的な定義は無いが、一般的に1年以上、居住国を変更している人々を指す。「難民」は、人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の構成員であることや、政治的意見を理由として迫害を受ける恐れがあり自国にいられない人々を指す。難民条約に基づき、国際的に定められているという。
石戸諭「だから『難民』については法的な定義があるっていうことですよね」
西川「難民条約の解釈の仕方が国によって違ったりするということなんですけれども、どうですか?この日本の難民認定率というか、この定義については」
ブルボンヌ「ちょうど最近のニュースで、欧米が男性同士でも女性同士でも男女と同じように結婚できるようになった時代に、イスラムとかアフリカとかは真逆で、刑罰の対象になるっていう国があって、ウガンダもそういうのが厳しいルールに決まってしまったんだけど、その状況で、こないだ大阪地裁で『帰国したら処罰の対象になる』っていうことで、同性愛者のウガンダ人女性が難民認定を受けられたっていう有難いニュースがあったんだけど、それに対する反応で『よかったね』っていうのもあれば、『そんなことで受け入れていたら、どんどん難民が来てしまって大変になる』っていう排他性を感じさせるような意見もどうしても出てきてしまう。でも、実際の数を見ると数十人しか呼んでないから『大騒ぎになるほどのことは到底まだまだ先だよね』って思うけど、この一人の例を聞いても『そんな易々と受け入れちゃいけないよ』っていう声が出るくらい、日本は受け入れ態勢があんまりない人も多いんだなっていうのが垣間見えた出来事だったね」
石戸「それは僕もすごく感じた。要するに、母国に帰った時に何が待っているかっていうと、身体的な迫害や拘束が待っているっていうようなことがリアルにあるわけですよね。ネットのコメント欄で『こんなので認めたら…』っていうのを見かけるけど、この『帰国したら処罰の対象になる』っていうのは難民を受け入れる理由としては十分すぎる理由じゃん、と。しかも、それが一件認められたからって、いろんな所から難民がやってくるなんていうのは、あくまでも可能性とか恐れの問題の話で、日本を選ばなきゃいけない必然性がある人たちなんて、本当にどのくらいいるのか考えてみなさいよ、っていう話ですよね」
西川「たびたび移民が増えると『日本が変わってしまう』っていう意見が出て、反対層は全体の3割程度なんだそうですね」
ブルボンヌ「いまの感覚だと、実際に何万人とか受け入れているようなヨーロッパとかの国に比べると、そもそも難民が行こうと思っている国に日本はあんまり入ってない。たまたまの流れでの数名の事例を聞いても反発心が沸き起こるベースなんだなっていうのを改めて感じる」
さらに、政府が国会に提出した入管難民法改正案や、ウクライナからの避難民などについても話した。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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